2005.12
例年にない大雪で大変なことになっている年の瀬ですが、毎年恒例になりました、今月と来月はワタナベ&マルヤマが「2005年のベストアルバム、または最近の愛聴盤」と題して、1人ずつレコードを紹介していこうと思います。まず今月はPWMワタナベが選ぶ10枚です。

来月は「2005年のベストアルバムまたは最近のお気に入り(マルヤマ編)」をお届けする予定ですのでお楽しみに。




THE STRANEGLOVE / DANSEZ LE MONKISS (ATLANTIC)

1960年代のフランスで流行したダンスのリズムのひとつ"モンキス"。ニノ・フェレールのep盤が有名ですが、このストレンジラヴのアルバムもグレイト。モンキスのトレードマークともいえる赤いぬいぐるみの様なキャラクターが16匹も!シングルカットされた「CARA-LIN」を始めとして、ミッドテンポのグルーヴィーなパーティナンバーがずらり。ローリング・ストーンズ「SATISFACTION」やジェームズ・ブラウン「PAPA'S GOT A BRAND NEW BAG」のカヴァーも。



MARY ROOS / ICH BIN GLUCKLICH (CBS)

以前、スウェーデンのAGNETHA FALTSKOGを紹介しましたが、そこに収められている大名曲「GE DEJ TILL TALS」のカヴァーが、フランスのマリー・ルースのシングル盤に収められています。ジャケットも素敵。タイトルからも分かるようにドイツ語で歌ってます。アグネッタのヴァージョンにはやや劣るものの、こちらも原曲の良いだけあって素晴らしいです。ちなみにこの曲の作曲者はALLAN HAWKSHAWで、おそらく米英のヒット曲のカヴァーと思われます。



BREDA AND THE TABULATIONS / BABY YOU'RE SO RIGHT FOR ME (FESTIVAL)

ブレンダ・ペイトンという紅一点の女性ヴォーカリストに男性3人を加えたフィリー出身のヴォーカル・グループ。1970年前後にリリースされたこのシングル盤、「BABY YOU'RE SO RIGHT FOR ME」がノーザンソウル風の疾走ナンバーで素晴らしいです。ドコドコ鳴ってる跳ねたリズムにホーンセクション、そして黒人にしてはさらりと歌いこなす女性ヴォーカルのしなやかな躍動感。これはフランスのピクチャースリーヴ盤です。



URBIE GREEN / GREEN POWER (PROJECT 3)

昔からトロンボーンの柔らかな音色が好きなんですね。ジャズ・トロンボーン奏者アービー・グリーンも大フェイヴァリットのトロンボーン奏者で、これは1971年にプロジェクト3から発表したアルバム。プロデュースはもちろんイノック・ライト。時代柄かスペイシーなサウンド処理を施したジャジーなイージーリスニングですが、「COMIN' HOME BABY」を始めとして「GREEN POWER」「SIDEWINDER」「LUMPS」がグルーヴィーなファンキージャズで踊れます。



THILO'S COMBO / NERCI CHERIE (DECCA)

数年前『ポルトガル・デラックス』というコンピCDに収録されて以来、探し続けていたTHILO'S COMBOというポルトガルのグループのレコード。これは1966年リリースの4曲入りコンパクト盤。注目曲はニノ・フェレール「MIRZA」のカヴァー。ハモンドオルガンもヴォーカルもファンキーに仕上げています。他の曲も粒揃い。陽気なサニージャズ「UN PEU DE POIVRE UN PEU DE SEL」、ワルター・ワンダレイのようなオルガン入りバランソ「MOCO TOQUE BALANCO」も良い。



BOBBY SHERMAN / GREATEST HITS VOL.1 (METROMEDIA)

今では結構な人気曲になったスウェーデンのSIW MALMKVISTの名曲「LA LA LA」。僕だけが知らなかったのかもしれませんが、この曲のオリジナルを発見してしまいました!ボビー・シャーマンというアメリカの男性シンガーが歌って全米9位まで上がった実は有名な曲でした。SIWのヴァージョンとアレンジが似ていて、SIW版はこれを下敷きにして作られたのがよく分かります。このベスト盤LPは安価で簡単に入手できるし、CDも出ています。



GILBERT BECAUD / VIVRE (EMI)

以前、ジルベルト・ベコーの「VIVRE」スペイン語ヴァージョンを紹介しましたが、このフランス語オリジナルヴァージョンのシングル盤をようやく入手。やはりスペイン語版よりも突き抜けてて好きですね。フレンズ・オブ・ディスティンクション「GRAZIN' IN THE GRASS」を下敷きにしたと思われる疾走感溢れるグルーヴィーなノーザンソウル・テイスト。あんまり盛り上がりすぎて、途中でジルベルト・ベコーが息切れしてるところも含めて最高のナンバー。



THE DON SCALETTA TRIO / ALL IN GOOD TIME! (CAPITOL)

米国のジャズピアニスト、ドン・スカレッタ。全部で3枚のアルバムを残しているようで、1964年録音の本作はジャケット・デザインが洒落ている(ブルーノートのジャケットの影響を受けまくりですが…)。ドン・スカレッタのピアノプレイは白いラムゼイ・ルイスと評されていますが、透明感溢れるリリカルな音色はビル・エヴァンスを思わせる場面も。軽快にスウィングする「WE KISS IN A SHADOW」、ジャズワルツボサの「BITTER WINE」が好き。



R.D.BURMAN / MUKTI (EMI)

B.R.バーマンの手掛けた1976年のインド映画のサントラ『MUKTI』。アルバム最後に収められた「DANCE MUSIC」という曲が素晴らしいですね。曲前半はイタリアのエッダ・デル・オルソのような高音スキャットの入った美しすぎるボサノヴァ曲、そして後半はファンキーでグルーヴィなアレンジに展開していきます。この曲だけ聴くととてもインド産とは思えなくて、まるでモリコーネとかが手掛けたイタリアのサントラ辺りを連想させます。



ROCKEY ROBERTS ET LES AIRDALES / THE MONKISS (BARCLAY)

再び登場のモンキス。ロッキー・ロバーツというたぶんイタリアの男性シンガーのコンパクト盤。「THE MONKISS」では、ハンドクラップと「モンキス!」という掛け声の入ったミッドテンポのダンスナンバーで盛り上がります。他の曲もビートナンバー満載で、ファンキーなハモンドオルガンと♪ナナナー・コーラスの入った「THOUSANDA CDANCES」「IOOO DANCE」という曲も同じタイプの踊れるナンバー。どれもテンポが同じなのでDJ的にも繋ぎ易い。




01,02,03,04,05,06,07,08,09,10: Toru WATANABE (pee-wee marquette)