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笑顔のままで寒風に吹かれる素敵なジャケットが全てを物語るかのようなデンマーク・ポップスの(たぶん最高)傑作盤。オープニングの「PRETTY WORLD(=SA MARINA)」のカヴァーから、ビートルズやバカラックのナンバー、9人の子供コーラスを従えた最高にハッピーな「TRISTEZA」のカヴァーまで、鳥肌の立つような歌唱を聴かせてくれるBIRGITは希有な唄声の持ち主で、その素晴らしさはまさに「可憐」という形容がピッタリ当てはまる。前述の選曲や1970年という製作年からも推測可能な通り、セルメン〜A&Mの流れを受けて作られたデンマーク語カヴァー企画という事は明白だが、これほどまでにBIRGITの唄声や小気味良いボサノヴァ風アレンジのバッキングを核とする北欧的なエッセンスがマッチした例は他には無いのかも知れない。クラブ的な視点やソフトロックなんて言葉で語られる前に、純粋に素晴らしい音楽としてすんなり耳に入ってくる好盤で、それと同時に、この先これ以上に素晴らしい作品に出会えるか?と言う不安すら覚える、そんな1枚です。 |
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スウェーデン産の素晴らしいポップソウル。女性シンガーSIW MALMKVISTは1950年代から本国スウェーデン語はもちろん、ドイツ語やフランス語などヨーロッパ各国の言語で歌ったレコードも残している。この7inchはアルバム『SPANSKA SIW』(1970年)からのシングルカット。ブラディー・バンチやジャクソン・ファイヴのようなポップでグルーヴィーなトラックで、フロアで聴くと最高にポジティヴな気持ちにさせてくれます。しかもサビの「ラララ〜」というキャッチーなリフレインで込み上げてくる幸福感といったら!もうここは全員合唱でしょう。シングル裏面はバート・バカラック作「雨に濡れても」のカヴァーで、こちらも悪いハズがない。 |
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デンマークの4人組女性グループ。女性だけで構成されたグループといえばALIVEなんかもありますね。この人達は残念ながらヴォーカルものはやってません。が、卓越したテクニックの持ち主が集まっていて、なかなか力強い演奏を聴かせてくれます。裏ジャケに写ってる自転車に乗った4人からは想像も出来ないくらいにスリリング。特に「SINGING SPRING」と「SAMBA TILL EN HUND」の2曲がオススメ。どちらもスピーディーなジャズボサ風の演奏に、やはりどこか北欧らしいかげりのあるメロディに絡むピアノとフルートが格好いい。 |
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デンマークのグルーヴィージャズ。バンマスBJARNE ROSTVOLDとサックス奏者PER CARSTENを中心とするグループのようで、『THE JAZZ DANCER』(1970年)の翌年にリリースされた第二弾(REVISITED)が本作にあたる。オープニング曲「WISH I KNEW」からアップテンポで痺れるようなかっこ良さ!次々と溢れ出すサックスのフレーズ、しなやかなビートチェンジには何度聴いてもハッとさせられる。そしてエリス・レジーナ『IN LONDON』でも冒頭を飾ったエドゥ・ロボ作「CORRIDA DE JANGADA」がいちばん今の気分でしょうか。洗練されたグルーヴィーなアレンジで、北欧産ブラジリアンの好サンプルとなっている。 |
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ETTA CAMERONはバハマ出身の黒人ジャズ(ブルース)シンガーで、1970年代前半にはデンマークの首都コペンハーゲンに移り住んだ。これは彼女が1982年に地元の4人のトッププレイヤー達と残した作品で、タイトル通り堅苦しさのない「イージー」なジャズアルバム。コール・ポーター辺りのスタンダードからマイナー曲のカヴァーまで、ゆるく聴かせる1枚。中でも耳を惹くのはアントニオ・カルロス・ジョビンの「コルコヴァード」のカヴァー、ゴスペル風味のヴォーカルにメロウなバッキングがマッチした、まさに大人の為のボサノヴァといった仕上がり。 |
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フランスのダブル・シックス・オブ・パリの影響が伺えるスウェーデンの男3女3のジャズコーラスグループ。モニカ・セッタールンドのバックコーラスをやってたことでも知られています。彼らは1962年頃から活動しているグループですが、本作は1967年リリースのカヴァー集。軽快なフォービートに乗って口笛&ヴォーカルが駆け巡る「FIVE HUNDRED MILES」を筆頭として全体的にジャジーなテイスト。そんな中で異色なのはデイヴ・ブルーベック作の「BOSSA NOVA USA」。彼らのダバダバ、かなり洗練されてて巧いです。次作『A PORTRAIT OF BURT BACHARACH』はバカラックのカヴァー集でこちらも素晴らしい。 |
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「雰囲気」。何気ない言葉ではあるけれど、それを当り前のように漂わす事はとても難しい。LISE REINAUはデンマークの女性シンガー、彼女は1970年代に数枚の作品を残していて、当時のヒット曲を中心に割とジャズ寄りなアレンジで聴かせるという作風で、ジャズ、ボサノヴァ、ポップスにビートetcとバランスよく並ぶ物が多かった。このLPは1965年のもので、後の作風とは違いクァルテットをバックにしたジャズヴォーカル作品。軽快にスウィングする華麗なバッキングに乗せてRISEのややハスキーな雰囲気のあるヴォーカルが抜群の相性を示す1枚で、「GOODY GOODY」「I CONCENTRATE ON YOU」等のスタンダードも良いが、オリジナル「SAY BOOM BOOM」が素晴らしいジャズワルツで良い。もちろんアルバムトータルの雰囲気が心地よいのは言うまでも無い。 |
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フィンランドのピアニスト。プログレ・ジャズロックの世界ではかなり知られた人ですね。他のアルバムはいかにもなプログレものでちょっときつめ。でもこのアルバムは『THE VOICE』というアルバムに素晴らしいスキャット物を残しているMAIJAがいつものごとく参加、そして曲自体がプログレフィールを残しつつも比較的聞き易くスリリング。特に「SAHKOSANOMAIKONILLE」という曲がスキャット、フルートをフューチャーした曲で一番のハイライト。北欧もののジャズにはやっぱりフルートがかかせないですね。 |
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スティーヴィー・ワンダー「BIRDS OF BEATY」のカヴァーが人気のスウェーデンの男性シンガー。リル・リンドフォッシュなどのブラジル音楽に手を染めた女性シンガーとも共演しているだけあって、彼の作品にはやはりブラジリアン・テイストのアルバムが存在する。本作(1968年)はヤング・ラスカルズ「GROOVIN'」などを収録したカヴァー集。「SOMEWHERE THERE'S A SOMEONE」(オリジナルはディーン・マーティンかな?)が特に素晴らしくて、リル・リンドフォッシュの『MELLAN DROM OCH VERKLIGHET』のB面に入ってる2曲のボサノヴァ曲のような、弾むテンポに美しいメロディーが映えるスタイリッシュなナンバー。 |
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顔のドアップがちょっときついジャケで、まったくダメそうなAOR風な作品を連想させられますが中身はなかなかな一枚。スウェーデンの男性ボーカリスト。自作曲もありますがこれはいまいち。他にもなぜかローラ・ニーロやキャロル・キングの曲をカヴァーしてたりしてますがこれもオリジナルが上。でも同じスウェーデンのアーティストの人気作品には良く名前の見られる作曲家、CORNELIS VREESVIJKが一曲参加。これがやっぱり格好いい。その「SOMLIGA GAR MED TRASIGA SKOL」は男気溢れるジャズボーカル。スピーディーな曲展開が最高。絡むピアノもまた素晴らしい。あと「WHAT'S GOING ON」のカヴァーも実はいい感じ。スウェーデンものにはCORNELIS参加は要チェックですね。教えてくれた仙台の友人Hさんに大感謝。 |
02,04,06,09: Toru WATANABE (pee-wee marquette) 01,05,07: Masao MARUYAMA (disques POP UP) 03,08,10: Morihiro TAKAKI (monophonic.lab) |