今月はマルヤマさんは都合によりお休みです。代わりに、古くからのミュージックフレンドのM7さんに参加していただくことにしました。M7さんと会うのはだいたいオルガンバーのDJブース横の壁際で、話題の99%くらいが音楽の話ですね。

今月は特に決まったテーマは設けずに、「最近のお気に入り盤」または「10月に聴くのに相応しい盤」というゆるいセレクションでお届けします。

Toru WATANABE (pee-wee marquette)

02,04,06,08,10:
Toru WATANABE (pee-wee marquette)
01,03,05,07,09:
M7 (@major7thNOW)



SOUNDS ORCHESTRAL / MOONGLOW
(PYE/disques vogue)


パリの蚤の市で購入したフランス盤4曲入り7inchで、見た目どおりすべてインストのイージーリスニング。B1「SOUNDS ANONYMOUS」(A.MOORHOUSE-K.MANSFIELD)は何か始まる予感があって素晴らしいSOUL JAZZ。PRODとDIRがJOHN SCHROEDER、PIANOがJOHNNY PEARSON。


FILIPPO CARLETTI QUINTETO / CIAO SAYONARA
(NOVOLA)


スペインの男性5人組コーラスグループ、FILIPPO CARLETTI QUINTETOのシングル盤。1966年。ジャケットのシンメトリックな「5」のタイポグラフィが気に入って購入した。コーラスを聴くとフォーフレッシュメンの影響を受けているのがよく分かる。A面に「CIAO SAYONARA」でカタコトの日本語も入る日本風情溢れるナンバー。裏面は「イパネマの娘」のボサノヴァカヴァーもやっています。


MARIO CAVALLERO / HIT PARADE CHANTE - POP HITS Vol.33
(MUSIDISC-EUROPE)


パリのレコ屋で購入したよくあるヒット曲カバー集。ところがA2「MUSIQUE」が素晴らしい。フランス・ギャルの原曲はどちらかというとロッキンな感じですが、これはワウ・ギターとフェンダーローズで始まり、ギターのカッティングもコンガの乾いた音も心地良い。VOCALもフランス・ギャル系で、トゥーストゥーストゥーストゥー・・・というコーラス・スキャット有り。


SALOME / SALOME
(BELTER)


スペインの女性シンガー、SALOME。日本のコアなソフトロック・ファンの間では、彼女の「AMIGOS, AMIGOS」という曲が人気がある。本作は1960年代中期にリリースされたアルバム。正直大部分の曲が今の自分には退屈な曲調なのですが、ラスト一曲「SOC MOLT POCA COSA」だけは大のお気に入り。シンプルなギターをバッキングに歌う曲で、楽曲の良さもさることながら、SALOMEの歌が切々としていて心に響きます。


V.A. / SOL E ALEGRIA RIO - O SAMBA E A MUSICA
(CODIL)


新宿えとせとらで購入したブラジル観光局のプロモ。ほぼ全曲素晴らしい。クレジットが書いてませんが、B2「SAMBA PRO PEDRINHO」はLP『BOSSA NOVA 70』(LYRIO PANICALI)と同じテイクで、ビッグバンドのめくるめくホーンアレンジが「TOUR OF JAMAICA」(MIGHTY SPARROW)タイプ。B3「UPA, NEGUINHO」は昔ニコラ・コンテさんがMIX TAPEに入れていたBRUNO SOLISのテイク。


RICHARD ANTHONY / JERICHO (COLUMBIA)

フランスのシャンソン歌手、リチャード・アンソニー。沢山のリリースがあってレコードも安く手に入るので、何枚か持っているのですが、この盤は最高に素晴らしい。たぶん1960年代前半のリリースだと思いますが、素敵なフレンチジャズが楽しめる4曲入りです。特に「AU FOND DE MON COEUR」はアフロキューバンリズムとフォービートジャズがしなやかに展開する躍動感溢れる名曲。こういうレコードをもっと発掘したいです。


ROY MERIWETHER / PREACHIN' (Capitol)

1969年のFUTURE JAZZみたいなジャケ。Hi-Fiで購入したピアノトリオのSOUL JAZZ。自作曲B4「TRIBULATION」が素晴らしい。冒頭のドラムブレイクとあまり関係なくピアノの鬼気迫る演奏が始まる。小気味良いタイム感でリズムを刻むハイハット、ぶったたかれるドラム。牽引力がグイグイと力強く、緊張の糸が切れることなく一気に駆け抜ける2:30。


THE NEW CHRISTY MINSTRELS / YOU NEED SOMEONE TO LOVE (GREGAR)

アメリカのコーラスグループ、ニュー・クリスティー・ミンストレルズが、古巣コロムビアを離れて、GREGARという見知らぬレーベルでリリースした1970年作。バート・バカラック作「SOUTH AMERICAN GETAWAY」のカヴァーが最高。ご存知『明日に向かって撃て』の劇中歌ですが、原曲よりもダイナミックなアレンジで演奏されている。惜しむらくは、原曲より尺が少し短くて、原曲の中盤以降の展開がないところかな。


SANTUCCI-SCOPPA / ON THE UNDERGROUND ROAD (dire)

direの「10」ジャケといえば、ということで、デシネで購入した有名盤、1971年。テイク・曲順・PIERO UMILIANIの賛辞も一緒で、ジャケ違いのオリジナル盤。B2「TANGANA」の轟音が素晴らしい。どの楽器の音も力強く淀みなく確信に満ちている演奏。Gatefoldを開くと、黒地に白文字のSANTUCCI・SCOPPAのタイポグラフィと演奏風景の写真のみ。プロダクションとしても素晴らしいです。


HAROLD NICHOLAS / THAT OLD BLACK MAGIC
(FONTANA)


タップダンサーで俳優としても知られるハロルド・ニコラス。レコードも何枚もリリースしていて、本作は1950年代末頃にフランスでリリースされたコンパクト盤です。彼のレコードは他にボサノヴァの盤なども持っているのですが、ここに収められている「THAT OLD BLACK MAGIC」がベストトラックだと思う。目の覚めるような高速ジャズ〜アフロキューバン。ハロルド・ニコラスの歌も軽やかで、曲に合わせてタップダンスしている姿が目に浮かびます。