4月は色とりどりの花が開花して、とても華やかですよね。天気もいいし、何となく体が宙に浮いているような気分になる今日この頃です。僕も久しぶりに自宅のベランダにチューリップの苗を育ててみたりしています。

今月のお題は「カラフル」。カラフルなサウンド、カラフルなジャケット、花のジャケット・・・などなどカラフルに関係したレコードのセクションです。

Toru WATANABE (pee-wee marquette)

01,03,05,07,09:
Toru WATANABE (pee-wee marquette)
02,04,06,08,10:
Masao MARUYAMA (musique dessinee)



MONIQUE ET LOUIS ALDEBERT / LA BIBLE
(FESTIVAL)


このレコード、映画かミュージカルの楽曲をカヴァーしたものかもしれない。ヴォーカルは「男と女」のスキャット・カヴァーで人気のモニーク&ルイ・アルベルト夫妻、バッキングはクリスチャン・シュヴァリエとアラン・ゴラゲール。冒頭からダイナミックでカラフルなジャズナンバー「ET IL Y EUT LE JOUR ET IL Y EUT LA NUIT」、ミシェル・グランを思わせるグルーヴィーなジャズワルツ「QUARANTE JOURS, QUARANTE NUITS」など名曲多数。1960年代後半のリリース。


ALB / MANGE DISQUE
(RISE RECORDINGS)


『カラフル』&『アーティスト肌』なデザインが秀逸なケースからしてミラクル!仏の3人組・エレクトロ・ポップバンド、ALBの2007年のデビュー作。この入れモノの衝撃に目を奪われがちですが、音楽も中々に『カラフル』。ニンテンドー世代の粋な感覚と、ビーチボーイズのハーモニーを違和感無く融合させるそのセンスがイイです。歌心を感じさせる「Safeguard」なんて個人的には昇天系の名曲だと思います… ちなみに、ケースだけじゃなく、CDの盤面自体もスバラシク凝ってます…恐るべし…


V.A. / A WEST COAST JAZZ ANTHOLOGY
(JAZZTONE)


カラフルで透明感溢れるジャケット。本作はとても春らしく爽やかなウエストコーストジャズのコンピレーション。1950年代JAZZTONEレーベルの有名アーティスト達・・・チェット・ベイカー、チコ・ハミルトン、ジェリー・マリガン、ビル・パーキンス・・・お馴染みの面子の演奏が続きますが、全体を貫くトーンはまさに青空の下の西海岸ジャズ。素敵なジャケットを眺めながらこの音楽を聴いて、休日の午後を過ごすのは何て贅沢なことだろうと思います。


THE ROYALTIES / THE LOST ROYALTIES
(EXCELLENT)


北欧はノルウェイの5人組、ザ・ロイヤリティーズの2NDアルバム。力強いギターロックを軸にしつつも、『カラフル』に彩りを添える弦やホーンを交えた華麗な音作りは、まさしく‘パワーポップ・オーケストラ’とでも言うべきステキな仕上がり。骨太のロック、軽妙な『トルゥットゥ?』コーラスがホノボノした楽曲から、スケールの大きな展開を見せる60s風味のポップスまで、それぞれの楽曲自体に加え、アルバムとしての出来映えも『カラフル』な、魅惑のマジカル・ポップスです。


FRANCK FERNANDEL / LES SOURIS
(PHILIPS)


フランスの男性シンガー、フランク・フェルナンデル。以前鈴木さんが紹介していたブラジリアンな「UN AMERICAIN DANS LES RUES DE RIO」(ボサノヴァスタンダード「SURFBOARD」のカヴァー)が人気ですが、これはその翌年1967年に出たコンパクト盤。ジャケットにもカラフルな時代の雰囲気が溢れていますね。内容のほうは、女性のシャバダバ・スキャットが飛び出す「LES SOURIS」、スマートなジャズナンバー「SI TU VIENS DANS MA MAISON」などが良いです。


BRENT CASH / HOW WILL I KNOW IF I’M AWAKE (MARINA)

『カラフル』&『サニー』… そんな表現がピッタリハマりますネ。ジョージア州はアテネ出身のSSW、BRENT CASHのデビュー作『HOW WILL I KNOW IF I’M AWAKE』は、オープニングを飾る夢見心地の3分ポップ「EVERYTHING THAT’S GREY」からミラクルな香りがプンプン漂います。60年代から受け継がれるポジティブなサンシャイン・ポップスを、ダイレクトに心に響くメロディに乗せ、歌い上げてます。雄大な弦を交えたアレンジも秀逸で、聴く度に古き良き時代にタイムスリップした気分に浸れます…


THE BICENTENNIAL BLUES CO. / BICENTENNIAL BABY (---)

星条旗のジャケットというのは沢山あるのですが、これはサンディエゴで1976年に製作された謎に包まれた自主製作盤。HORNレーベルから出したアルバムが人気のDON GLASERがソングライター&ヴォーカルなどで参加しています。全体的にジャジーな作風ですが、特筆すべきは「...BUT IT'S MINE」。ミディアムリズムのボサノヴァ曲で、DON GLASERの甘美なヴォーカルと重心の低いサウンドプロダクションが相まって、素敵な雰囲気に仕上がっています。


THE POSTMARKS - THE POSTMARKS (VICTOR)

このジャケットからして雰囲気抜群。USの男女混声3人組、ポストマークスのデビュー作は、その佇まい、確信的なメランコリック・サウンドを際立たせる普遍のメロディまで、全てが絶妙のバランスの上で成り立った名作です。囁くような紅一点・ティムの歌声も‘その’雰囲気作りに一躍買っているのは間違いないですが、往年のA&Mの名作群を思わせるドリーミーでピースフルなサウンドは、そう易々と奏でる事が出来る訳では無いハズです…ただ、オシャレ、で済ます事は出来ません…


THE GINGERBREAD EXPRESS / I CLIMBED THE MOUNTAIN (ALLEN)

多分シングル一枚だけリリースしているグループ、ジンジャーブレッド・エクスプレス。プロデューサーALLEN HINCHIFFEの名前から取ったと思われるALLENという見知らぬレーベルからで、自主盤の可能性が高いです。裏面「MISSED ANOTHER DAY」が最高のジャジー・ソフトロック。ギターとフルートの導入部から完璧なジャズワルツのリズムに続いて、男女混声ヴォーカルが入ってくる辺りからかなりカラフルで極彩色の展開です。中盤のフルート・ソロもグレイト!


KURYAKIN / FOUGHT A WAR EP
(FASTCUT RECORDS)


スウェーデンの二人組ポップユニット、Kuryakinのデビュー作にあたる7’。繊細なギターのイントロから、しなやかに展開して行くタイトル曲「FOUGHT A WAR」で感じさせるスケール感は、単なる新人インディ・バンドのそれとはちょっと違う模様。ちょっとチープながらも小気味良く跳ねる打ち込みに乗るキラキラしたメロディ、か細く語りかけるような歌声で歌われる「Rain」を聴いていると、少しだけタイムトリップしたかのような錯覚に陥ります…