今月の10曲
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7年の歳月をかけて完成されたというイギリス・ドイツ合作映画「DEEP BLUE」。豊かで過酷な世界の海に住む生物たちを追って延べ7000時間にわたり撮影されたフィルムから選りすぐられた90分の映像は、とにかく圧倒的な迫力。どうやって撮ったのだろうという驚きと、生き物たちの姿、立ち(泳ぎ)振るまい、生態自体の驚きがあって。敵集から身を守るために巨大な竜巻き状になって高速回転する何十万というミナミアフリカマイワシの群れ。エサを求め、ウソだろうと思うほど深く自在に海中に潜るミズナギドリ。10000メートルを超える深さを持つマリアナ海溝の上をカメラが通過するシーンはかなり恐ろしかった。そして太陽光の全く届かない暗黒の海に生きる深海生物の不思議な姿。映画「アビス」のモデルとなった深海生物もいましたね。間違いなく誰もが感動・興奮する一本、なんて決め付けをするつもりは全然毛頭ないし、実際万人向けというより観る人の好みやコンディションをかなり選ぶ一本かも知れませんが、興味のある方は迫力あるその映像に包まれる大スクリーンでご覧になることをぜひお勧めします。
サントラ初となるベルリンフィルの音楽も素晴らしかった。
PREMIUM CUTS PROGRAM 2004
AUGUST〜SEPTEMBER LINE UP 21:00 OPEN (\2,000/1D)

※誕生月に入場の方、入場料無料(要ID提示)

8月11日(水)『Premium Cuts 2004』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/BLUE CAFE), 佐野真久, 橋本好真, トーマス平井, 関口紘嗣, 植原良太

9月8日(水)『Premium Cuts 2004』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/BLUE CAFE), 佐野真久, 橋本好真, トーマス平井, 関口紘嗣, 植原良太

TWISTE ET CHANTE
THE 4 MOST / Sings THE 4 MOST / Sings
(DAWN) LP

AL CORN、HANK JONES、MAT MATHEWSなどなど、レーベルメイトとなる東海岸のそうそうたる面子を従えたジャズコーラスグループの、1956年アルバム。オールディ・バット・グッディなスィング・コーラスが並ぶ中、MYフェイバリットのひとつでもあるスタンダード・ナンバー「BERNIE'S TUNE」がごきげんなテンポで軽快に唄われているのがやっぱりいちばんうれしい。10月末リリース予定のBLUE CAFE N°5に収録のスキャット・メガミックスにも引用させていただきました。
THE SWINGLES / Instrumentals THE SWINGLES / Instrumentals
(POLYDOL) LP

こちらはぐっと新しく86年の英国のコーラスグループの作品。アドヴァイザーにはあのSWINGLE SINGERSのWARD SWINGLEがクレジットされている。SHAKATAKでおなじみの「NIGHTBIRD」やAVERAGE WHITE BANDの「PICK UP THE PIECES」といったナンバーをめずらしくスキャットでカヴァーしていて楽しい。そしてSPYRO GYRAの「MORNING DANCE」。VOICEの魅力に焦点をあて、厚みと迫力に満ちたサウンドでは決してないが、流れが作れていればクラブプレイも可、かな。
GEORGIA BROWN / The Many Shade of Georgia Brown GEORGIA BROWN / The Many Shade of Georgia Brown
(CAPITOL) LP

ミュージカル畑で活躍した女優兼シンガー。「RIDING ON THE MOON」「I CONCENTRATE ON YOU」といったラテンジャズタッチのダンサブルなナンバーを収録。アレンジはPETER MATS。舞台出身だけあって声の通りがすごく良いです。また69年のECLIPSE盤には先月紹介したNU RECORDSのチャートでも取り上げたように、DELLA REESE「BLUE SKY」やJULA DE PALMA「OH ALFRED」なんかにも通じるとびきりのハイテンション・スウィング「WOT CHER!」を収録しています。
PIERO PICCIONI / Finche' c'e' Guerra c'e' Speranza PIERO PICCIONI / Finche' c'e' Guerra c'e' Speranza
(GML) LP

数年前に12インチでヒットした「O RUGIDO DO LEAO」は名匠PICCIONIによるこのイタリアのサウンドトラック盤からのシングルカット。歌詞つきの「WEST AFRICA」も収録。同様のメロディを雄大なサンバアレンジにのせ、大編成のコーラス隊が聴かせるA-1とB-ラスのテーマ曲がとても感動的。同テーマのピアノ&ギターによるボサノヴァ「SAFARI ESQUISITO」もいい。関係ないけど昔のこうしたイタリア映画のイメージイラストの画集とかないのでしょうか。あれば絶対に欲しい。
JONI MAZA / Bem Quente JONI MAZA / Bem Quente
(RCA) LP

1968年のブラジリアン・バランソ・ジャズ傑作盤。6月に紹介したMAESTORO CARIOCAとかなり似た肌触り。ヴォーカル曲とインストがほぼ半分半分で、「ESTE ALGO MAS」や「VOCE VAI...VOCE VEM...」といった唄ものもかなりかっこいいけど、ホーン炸裂のインスト・ナンバー「ZERO HORA」がもう半端なくグルーヴィー。そしてCANNONBALL ADDERLEYがまったりしたジャズ・ボッサで演じていた「JOYCE'S SAMBA」もスリリングなアレンジに生まれ変わっていて最高。
LISA LINN / Synge LISA LINN / Synge
(VICTOR) LP

スウェーデン人シンガーL. LINNの76年アルバム。表題曲は、同じくスウェーデンのLILL BABS版とかサーカスの「愛で殺したい」とかしばたはつみの「私の彼」とか、たくさんのカヴァーバージョンが存在する、MICHEL FUGAINの「CHANTE...COMME SI TU DEVAIS MOURIR」のカヴァー。しかも、例えばPIERA MARTELLの「HI LILL-HI LO」なんかにも通じる軽快なジャズ・サンバがうれしい。ミッドテンポのファンキーなアレンジで聴かせるフリーソウラーな「LOVE」も面白いです。
OSIBISA / The Coffee Song OSIBISA / The Coffee Song
(ISLAND) 12"

アフロ・ロックの人気バンドとして何枚もアルバムやシングルをリリースしていたOSIBISAの割と後期、76年のアルバム『OJAH AWAKE』からのシングルカット。いろんなアーティストのカヴァーが存在する人気曲「THE COFFEE SONG」が、ここではアフロ色は抑えめに、合の手も楽しいハッピー・サンバ仕様にアレンジされて、例えば上のLISA LINN「SYNGE」なんかとも相性抜群。C/Wの「KEEP ON TRYING」は本来のアフロ・テイストが前面に出たファンキー・インスト・ナンバー。
中森明菜 / 赤い鳥逃げた 中森明菜 / 赤い鳥逃げた
(WARNEE PIONEER)12"

中森明菜85年の大ヒット曲「ミ・アモーレ」の別歌詞ラテン・バージョン。作曲者であるラテンの名手松岡直也がリミックスも担当し、モントゥーノ・ピアノやティンバレスなどが大活躍の情熱的な仕上りに。サビ前までの唄部分がほぼオリジナル編曲まんまなのがちょい惜しい。手前味噌ですが、今月のBLUE CAFE頁で紹介するPLAYA「I LIKE IT -APRIL SET CUBANO BOSSA REMIX-」とつなげてかけたりもしています。「ミ・アモーレ」には、サンバ・アレンジのアルバムTAKEもあり。
TOPPER HEADON / Drumming Man TOPPER HEADON / Drumming Man
(MERCURY) 12"

伝説のパンクバンドTHE CLASHの2代目ドラマー、T. HEADONのソロ転向後の'85年作は、伝説のジャズドラマーGENE KRUPAの'40年代の録音曲のひたすらノリのいいカヴァー。以前紹介したDE GIGANTJES「I WANT YOU TO BE MY BABY」なんかにもちょっと近いパワフルなネオスウィング系、かな。ドラムソロも迫力満点、バックのTHE BOPPERS、ホーンのBOPPING BRASSも気持ち良さそうにまさしくBOPしています。ヴォーカルのDIDI SKETCHER嬢の歌声は可憐で明るく魅力的。
UK MIXMASTERS / Bare Necessities Megamix UK MIXMASTERS / Bare Necessities Megamix
(BMG) 12"

映画『JUNGLE BOOK』のサウンドトラックのとびきりキャッチーな2曲「BARE NECESSITIES」と「I WANNA BE LIKE YOU」をメドレーMIXした91年のシングル。プロデュースはSHAKATAKなどで名を馳せたNIGEL WRIGHT。BPM115くらいのカラフルな四つ打ちアレンジで楽しく踊らせてくれます。ちなみにVIVID SOUNDからリリースされたばかりの12"『LATIN FLAVOR』に収録された山崎廣明withダイナミックスfeat.土屋ひろみの「I WANNA BE LIKE YOU」も最高です。
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