今月の10曲
 line
[ 戻る ] [ 2001/ 3月版 ] [ 次へ ]
[ BLUE CAFE コーナーへ ]
 毎週土曜日、さまざまなゲストを迎えてお送りしているプレミアム・カッツ。3月はライブ強化月間としてライブアーティスト中心のゲストでお送りします。第1週は今年レコード・デビュー予定の新進ユニット、<La Defonce>。アブストラクト、2ステップ、ブレイクビーツな先鋭的バックトラックにツヤのある女性ヴォーカルがいかしていました。そして第2週の10日は、MURO氏の新アルバムでも存分にその凄腕を発揮し、NOVO TEMPOなどでも活躍するギタリストSAIGENJIのブラジリアン・フレイヴァーあふれるライブ。存在感あふれる歌声と超絶テクのギターによる「ポンテイオ」「ザンジバル」など、鳥肌ものです。第3週の17日は、スペシャル・ゲストDJとして、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーションの松浦俊夫氏の参加が実現。やっと来てくれました、っていう感じで、こちらも超楽しみです。で、第4週の24日はふたたびライブゲストの日として、いまさまざまなレコーディングに引っ張りだこのファンキー・オルガニスト、TACKER氏の登場。“鍵盤に向かうと人格が変わる”彼のクレイジーなライブは、必見の価値あり。今月もプレミアムカッツでお楽しみください。(鈴木雅憲)
■ミックステープ間もなく完成
楽曲製作やらなんやらに追われてずいぶん予定が押してしまいましたけど、やっとオリジナル・ミックステープ『Premium Cuts 001』完成です。フレンチ、ブラジリアン、ヨーロピアンジャズ、レアグルーブなど、世界横断の90分全31曲。発売日・取り扱い店など、詳細は追ってまた本コーナーならびにBBSなどでお知らせします。
side A
intro〜tuning
APRIL SET / BLUE CODE 2969 〜静かの海でふたりでお茶を〜
THE CREATURES / RIGHT NOW
GERARD BAQUE / TANT DE NUITS(BITTER SWEET SAMBA)
LUCIFER AND CO. / EDEN
NICO GOMEZ / MEU PIAO
THE G9 GROUPP / LET ME(DEIXA)
ANA MARIA E MAURICIO / FIGA DE GUINE
OS NOVOS BAHIANOS / DE VERA(7"ver.)
TICO ARNEZ / ESO BESO
KALEN WYMAN / NIGHT AND DAY
JULLIAN BAREY ORC. / LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT
STAN BUTCHER / HI-HO
intermission〜on the air1
THE LEADING FIGURES / TUXEDE JUNCTION
THE LIPSTICS / BAA BA BA BAAA
JEAN DuSHON / FEELING GOOD
LEAN SULLIVAN / I SAW THE LIGHT

side B
intermission〜on the air2
KITTY WINTER / THE DIFFERENT WAYS
JUMPING JACQUES / GOSSIP AND CHATTER
JACK JONES / I MUST KNOW
VIA SZBABA / FAZOM
JAIR RODRIGUES / DEIXA ISSO PRA LA
BRAZILIAN SINGERS / POR ESSE MUNDO AFORA
CATERINA VALENTE/ SAUDADES DA BAHIA(BOINK!)
BRADY BUNCH / LOVE ME DO
EVA / MOONRIVER
JULA DE PALMA / OH ALFREDO
DALIDA / RIO DO BRAZIL
ANITA STRANDELL / HERE WE ARE FALLING IN LOVE AGAIN
PRINI / BOOGALOO
outro〜off the air
DORIS SVENSSONS/ DU SOM BARA HAR SETT VARAR
FREDDY COLE / TRISTEZA
chao!
TWISTE ET CHANTE
JONNY TEUPEN / Harporhythm JONNY TEUPEN / Harporhythm
( MPS BASF )

前回もEPを紹介したドイツのジャズ・ハープ・マイスター、ジョニー・トイペン。SABA盤のバロック風味のスキャットJAZZ<PLAY HARP>やムジカ本で紹介されていたボサノヴァ&スキャットのvogue盤<LOVE AND HARP A LA LATIN>も大好きですが、今回はあえてヴォイスレスのこの盤を紹介。前記2枚に比べて圧倒的に立ってるリズム、美しいストリングス・アンサンブル、声の無い分のびのび冴え渡っているトイペンのハープ、何より高速ボッサ『LA CHICA QUAPA』や『A LATIN AFFAIR』、ソウルフルな『NEVER GONNA BE A SKY-SCRAPER』『G-STRINGS』など楽曲がフロアユースで、いかすハープ天国。
BERRY LIPMAN / The Most Beautiful Girl in the World BERRY LIPMAN / The Most Beautiful Girl in the World
( QUADRAPHONIE SQ )

ライブラリー音源も含めて結構な数のレコードを残しているおなじみドイツの才人、ベリー・リプマン。例えばモンド本で紹介されている<LET'S TALK ABOUT MUSIC>など、彼の作品は(特にホーンアレンジなど)傾向的に“陽気なメキシカン”タイプのお気楽な作品が多かったりしますが、本作はおそらくみんなが彼に期待する『GIRLS FROM PARAMARIBO』なイメージの洗練されていて打ってる楽曲が多数。『MUSIC TO WATCH GIRLS BY』なんかもソフトロックのお手本的アレンジ。もちろん女性スキャット満載。もちろん『GIRLS FROM〜』も収録。コンピより圧倒的に音圧高め。
KATHRYN MOSES / Same KATHRYN MOSES / Same
( CBC )

70〜80年代に何枚かのアルバムを発表しているカナダのジャズ・フルーティスト、キャサリン・モーゼス。ジャズ放送のラジオ・カナダのリリースによるこのアルバムでは、ギター、ピアノ、ドラム、パーカス、ストリングスという編成をバックにさまざまなスタイルのジャズを気持ちよさそうにプレイ。『READY OR NOT』は彼女のスキャットがクールにスウィングする高速4ビート。ブレイク多め。『I MET A SPECIAL MAN』は、非凡な作曲センスも披露する、自作自唱の繊細なブラジリアン・ソング。そして、使えるボッサ・ブレイク・ビーツ。
ORQESTRA NAMRADOS / As Maximas de Novela ORQESTRA NAMRADOS / As Maximas de Novela
( CID )

ブラジルにはご存知のようにテレビ.映画のサウンドトラック盤に完成度の高いお宝盤がごろごろしてますけど、これはそれらのなかでも代表的な名曲をホーン&ストリング付きのソフトロックアレンジでカヴァーした“いいとこどり”のおいしいブラジル盤。演奏、アレンジ、コーラスワーク、とても洗練されていてGROOVY。また選曲がやばい。なんつったって『TELE-TEMA』『O CAFONA』『SEXAPPEAL』ときて、とどめが手拍子炸裂の大合唱『SHIRLY SEXY』っスから。
THE NEW LONDON RHYTHM & BLUES BAND / Soul Cookin' THE NEW LONDON RHYTHM & BLUES BAND / Soul Cookin'
( VOCALION )

このユニオンジャックイラストで何故かUSプレス、なんてことはどうでもよくなるシビレる一枚。DECCA系列のVOCALION盤。ひたすら太く黒く熱いアレンジで聴かせる『HARLEM SHUFFUL』『UPTIGHT』『LIGHT MY FIRE』『DANCING IN THE STREET』『SOUL STREAM』などなど。無記名の男女ヴォーカルもただものじゃない歌いっぷり。『DANCING IN THE STREET』なんて、まるでLULU。ホーン部隊もオルガンもギターもドラムもすべてが豪快そのもののタイソン級。いまこの原稿書くのでヘッドホンで聴いていたらまた頭の芯がジーンとしてきた。
SACHA DISTEL / Un Amour, un Sourire, une Fleur... SACHA DISTEL / Un Amour, un Sourire, une Fleur...
( EMI PATHE )

アンリ・サルヴァドールの甥っ子サッシャ・ディステルのブラジリアン・カヴァー集。『DINDI』『CORCOVADO』などしみじみ味のある声で魅せますが、強力なフロア対応はなんといってもA-1のバーデン・パウエル作の『DEJA(DEIXA)』。『LET ME』というタイトルの英語詞で唄ったG/9グループのみずみずしい名演も印象深いバーデン・パウエルの名曲。ディステル・バージョンは厚いホーンをバックに、よりドラマチックに唄いあげます。“胸のすく”という表現がぴったりの名演。哀切のヴァイオリンが泣ける『HOW INSENCITIVE(お馬鹿さん)』は朝方、クロージングの一曲に。オーケストレーションはRAYMOND GIMENES。
V.A. / For the Love of Man V.A. / For the Love of Man
( UNICEF )

オーストラリア限定プレスのユニセフ・チャリティー・アルバム。JULIAN LEE-LARRY PONTLUSコンビの書き下ろし曲をメル・トーメ、レイニー・カザン、スー・ライニー、ジョー・ウイリアムスなどかなり豪華な面子が唄っています。チャリティー・アルバムは通常どうしても祈り系、子守唄系の曲が主流になりますが、このアルバムでメル・トーメが唄う『DON'T GIVE UP ON US NOW』は珠玉のソフト・ロック(つかソフト・マイルド・ロックっていう感じでしょうか)。さらっとGROOVYで、じわっと泣けます。
KITTY WINTER GYPCY NOVA/ Limelight Suite KITTY WINTER GYPCY NOVA/ Limelight Suite
( Intercord )

有名な<FEEL IT>の後、79年に発表された本作は、<FEEL IT>に比べて時代柄でしょうか、ややフュージョン、AOR(ホワイトソウル)寄りのサウンドプロダクション。そんななかにあって『CONGITO』という曲は完全に前作の延長線上に位置するリリシズム溢れるスピーディーなアコースティック・サンバ。美しいギターのリフの上を、切な気なメロのキティ・ウィンターのヴォーカル&スキャットが疾走します。ブレイク部の波のS.E.も映像的。ジャズ・ファンクなスキャットTUNE『GIPCY LADY』もおすすめ。
DUSKO GOJKOVIC / Adio Easy Listening Music DUSKO GOJKOVIC / Adio Easy Listening Music
( RTB )

旧ユーゴの名トランペッター、ダスコ・ゴイコヴィチによるジャズ・ボッサ、イージー・サウンド集。例えば名盤<TRUMPETS &RHYTHM UNIT>における『QUO VADIS SAMBA』、CERTAIN LIONS & TIGERS<SOUL CONDOR>における『BOSSANDY』など、彼の演奏には我々の琴線に触れるような“泣き”のメロディーが多数存在しますが、ここでの『BRAZILIJANA』『POD SJAJEM ZVEZDA』なども、それらに負けず劣らずの極上のアップテンポ・ブラジリアン。艶やかなストリングスも深い余韻を残します。
VLADIMIR COSMA / La Surprise du Chef VLADIMIR COSMA / La Surprise du Chef
( DEESSE )

このジャケのイラストを見て「おや、どっかで見たぞ」と思った人はするどい。フレンチ系、ジャズ・ラウンジ・モンド系の人には「チャラッチャッチャッチャラ アフ〜ン♪」っていうお色気フレーズでおなじみ、『SAMBA CUECA』と同じアニメーションイラスト。どちらもパスカル・トーマスとウラジミル・コスマの名コンビによるハッピー・サウンドトラックなのであります。『SAMBA CUECA』直系の、ティンバレス・フィルが効いてるピアノ・サンバ『TITI-CACA SAMBA』、フレンチらしい洒脱なマンボその名も『MAMBO』などがきわめてデリシャス。
 line