今月の10曲
line
[ 戻る ] [ 2006 / 6月版 ] [ 次へ ]
[ bluecafe コーナーへ ]
◆先月のこのコーナーでお知らせしました5月26日(金)の『四年に一度の鈴木雅尭大独演会』はおかげさまで思いのほか盛況のうちに無事7時間プレイで幕を閉じました。かなり体力を心配してもらいまして(笑)、下の写真のように、大量にドリンク系の差し入れをもらいました。QYPTHONEのいずみちゃんも飛び入りでライブやってくれて23時からスタートしたロングセットも気がつくと朝6時。あらかじめ大方の流れは練っておいたし、お客さんも楽しく踊っててくれたのでプレイ自体はさほど大変ではなかったんですが、レコードバッグ3つ、7インチ・バインダー2冊、CDバインダー1冊の運搬・搬入搬出が一番しんどかったですね。またしばらくはいいや、っていう感じです。ともあれ、ありがとうございました。

◆そして今月の第4金曜日は中田ヤスタカ君、イミグランツ・ボッサ・バンドをゲストに招いて『PREMIUM CUTS presents SUPER POP ENSENBLE』と題したスペシャル・メニューをお贈りします。詳しくは次頁のBLUE CAFEコーナーをご参照ください。

◆レギュラープログラム『ビストロジャズ』『プレミアムカッツ2006』、それからも熊谷のDJ BAR NYMPHでの『SAYIN' SOMETHING presents プレミアムカッツ』も好調月イチ開催中ですので、併せてよろしくお願いいたします。
サプライズゲストはQYPTHONEのヴォーカルいずみちゃん。さすがの盛り上げに多謝!
PREMIUM CUTS 2006 SCEDULE  JUNE〜AUGUST

毎月第1水曜日【Premium Cuts 2006】
6/7 wed. 7/5 wed. 8/2 wed. チャージ 2000yen /1d
※誕生月に入場の方、入場料無料
※先着30名様に鈴木雅尭によるオリジナルMIX CD(非売品)プレゼント
DJ: 鈴木雅尭(APRIL SET), 佐野真久, 仲山慶, 志水貴史, 植原良太, Q☆PON, tomomieland

毎月第3木曜日【Premium Cuts presents ビストロジャズ】
6/15 thu. 7/20 thu. 8/17 thu. チャージ 1000yen
DJ: 鈴木雅尭(APRIL SET), 神谷直明(BOOT BEAT), 藤澤志保, 遊民
TWISTE ET CHANTE
JOE BATAAN / MR. NEW YORK JOE BATAAN / MR. NEW YORK
(FANIA) LP

ミスター・ニューヨリカン・ソウル、J. BATTANの72年の傑作。多作だったこの人のアルバムの中でも僕がこの作品を特に好きなのは、なんといっても「MAKE ME SMILE」「MORE TODAY THAN YESTERDAY」が収録されているから。前者はブラス・ロック・バンドCHICAGOの名曲。オリジナルの良さを活かしながらかなりタイトなブーガルー・ソウルになっていて、これはアガります。そして後者もおなじみSPIRAL STAIRCASEの代表曲。僕の不動のイチオシはWILMA READINGバージョンですが、このスウィング・ソウルなバージョンもかなりオススメ。ボーカルも素朴な味わいで絶品です。
SOUL SOCIETY / TREMENDA SATISFACTION SOUL SOCIETY / TREMENDA SATISFACTION
(DOT) LP

ROY AYESがらみのSOUL SOCIETYとは(たぶん)全然関係ない、ペルーのラテン・ブーガルー・バンド。何回かこのコーナーで以前にも紹介した同じペルーのENRIQUE LYNCHの楽団なんかとも近いノリがあります。本作はタイトル通りR. STONESのカヴァーをはじめ使えるナンバー多数。特にISAAC HAYESのソウル・クラシックス「SOUL MAN」とMIRIAM MAKEBAのアフロ・ファンキー・ナンバー「PATA PATA」がごきげんな仕上り。「PATA PATA」なんて原曲がもともと最高ですからね。それでこのバージョンは途中で激しいパーカッション・ブレイクもあって、嫌が応でもアガります。
JEAN JACQUES / AT CASINO-KURSAAL-OSTEND JEAN JACQUES / AT CASINO-KURSAAL-OSTEND
(JJ) LP

ベルギーの有名ホテルCASINO-KURSAALのステージでエンターテイメントを繰り広げていたシンガー&バンドマスターJ. JACQUESが、ゲスト・ヴォーカルDORINE嬢とともに2管を含めたコンボをバックに制作したリーダーアルバム。音の新しさからするとおそらく70年代中〜後期くらいだと思います。PLATTERSもカヴァーしたGEORGE BOULANGERの「MY PRAYER」はスキャットも交えたジャズ・ボッサ・スタイルに。おなじみ「L.O.V.E.」はリラックスしたスウィングに。ファンキー・グルーヴになった「TRUE LOVE」、インストの軽快なジャズ・サンバ「BLACK SAMBA」など聴きどころ満載です。
LU ELLIOTT / WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS LU ELLIOTT / WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
(ABC) LP

せっかくいい曲を手に入れても、その前後につないで流れを作れる曲がないとなかなかDJで使いづらい。流れを作る時の共通項は<BPM>に限らず<打ち方><コード感><フレーズ感>などなどいろいろですが、ここに収録されている「IF I WERE A BELL」は<BPM><打ち方><ソウルフル度>といった点で以前紹介した弘田三枝子の「LAST TANGO IN PARIS」と非常に相性が良くて、レアグルーヴな流れの時に最近よくつないでプレイしています。バラード系の曲が並ぶ本作の中でキラリと光るソウルフルなナンバー。本来はクリスマス・ソングなんだけど、無視してずっと使ってます(笑)
PANDY WESTON / HIGHLIFE PANDY WESTON / HIGHLIFE
(COLPIX) LP

アフロ・ジャズ・ピアニストの巨人R. WESTONは、実際に2メートルを超える、ジャズ・ミュージシャンきっての巨人だったようです。63年制作の本アルバムは彼の後期作にあるような強いアフリカ回帰の方向性はまださほど感じられず、モダンジャズの手法の枠の中で自分のルーツを表現しています。中でも跳ねたドラムに適度にラフなホーンアンサンブルが踊る「CABAN BAMBOO HIGHLIFE」と「NIGER MAMBO」の2曲が秀逸。特に後者はテーマがかなり強く印象に残るごきげんなファンキー・アフロ・ジャズ。この曲は本人もかなりお気に入りだったらしく、何度か録音しているようです。
JAN JOHANSSON & ARNE DOMNERUS / YOUNGER THAN SPRINGTIME JAN JOHANSSON & ARNE DOMNERUS / YOUNGER THAN SPRINGTIME
(NORDISKA) LP

スウェーデンを代表するジャズ・ピアニストJ.JOHANSSONのトリオ・プレイと、J. JOHANSSONも参加したサックス・プレイヤーA.DOMNERUSのクァルテットのプレイを集めた60年頭のアルバム。リラックスしたスウィンギーな好演が並ぶ中、J.JOHANSSON TRIOによる「LOVE FOR SALE」が、WILLIAM SCHIOPFFEのアフロ・キューバン・マナーなドラミングとJANの浮かれることのないクールなピアノによって、緊張感あふれる出色の出来になっています。決してピークタイムのダンスフロアで効力を発揮する類いの音ではないけど、ある種の強固なグルーヴが感じられる音楽です。かっこいい。
CHICAGO JAZZ EXCHANGE / with ELAINE HAMILTON CHICAGO JAZZ EXCHANGE / with ELAINE HAMILTON
(SIEGE) LP

シカゴのジャズ・コンボが女性ヴォーカルE.HAMILTONをゲストに招いて82年に録音したインディー・アルバム。アフロ・キューバン・アレンジとなったおなじみの「A NIGHT IN TUNISIA」と、ジャズ・ボッサ・スタイルによるブラジルのSEVERINO FIHO作「TEMA PARA QUATRO」が、巧みなシャバドゥバ・スキャットを聴かせてくれる本作のハイライト・ナンバー。その他にもスタンダード「JUST FRIENDS」「END OF A BEAUTIFUL FRIENDSHIP」などを軽やかなスウィング・セットで聴かせてくれます。82年の録音ですがピアノもベースも生なので当時特有のフュージョン臭さはありません。
JIMMY DALE ADVENTURE / SOFT AND GROOVY JIMMY DALE ADVENTURE / SOFT AND GROOVY
(CAPITOL) LP

カナダのアレンジャーのJ.DALEによる68年作品。タイトルの通りイージー・ライクな作品とグルーヴィーな作品が幅広く収録されています。DJ的にうれしいのは、グルーヴィー・サイドを代表する「BYE BYE」「CIDADE VAZIA」「YOU'D BETTER LOVE ME」の3曲。どれもダイナミックなホーン・アンサンブルとパーカッションが心地いい疾走感たっぷりのラテン・ジャズ・オーケストレーションで、例えばTONY HATCHの「LATIN SATIN」とかが好きな人だったらストライク間違いなしだと思います。フレンチホルンやトロンボーンの効かせ方、オルガンの音色とかもT.HATCHに激似です。
INGMAR JOHANSSON / BILDSPRAK INGMAR JOHANSSON / BILDSPRAK
(PRIM) LP

スウェーデンのシンガー・ソング・ライターの79年アルバム。詳細は判りませんが、宗教系のシンガーだという話も聞きました。しかし、ときにその手のシンガーやグループの曲から感じられるような押し付けっぽい敬虔さみたいなものは特に感じられません。まぁスウェーデン語で何をメッセージしているのかよく判らないのでなんとも言えませんけど。曲調的にはフォーキーだったりカリプソだったりAORだったりいろいろですが、シャッフル・ギターの効いた自作のフリーソウル「ANNA」と、見事なジャズ・ボッサにアレンジしたBEATLES「ERINOR RIGBY」の英語詞カヴァーが秀逸です。
SAMBASONICS / JORGE BEN BEAT SAMBASONICS / JORGE BEN BEAT
(RAMBLING) CD

熊谷PREMIUM CUTSクルーに教えてもらった日本=ブラジル共同企画のJ.BENカヴァー集。J.BENの曲自体ファンキーでノリのいいサンバ・ロックが多く、このカヴァー集も全編通してとてもフロア・ユース。「UMBABARAUMA」「TAJI MAHAL」「ZAZUEIRA」「MAS QUE NADA」などなど日本人にもとても馴染み深い曲がグルーヴィーにカヴァーされていますが、僕が特によく使っているのは「TIGHTEN UP」のホーン・フレーズを引用した「FORCA BRUTA」と重厚なサンバ・ファンク「TAKE IT EASY MY BROTHER CHARLES」。女性のリード・ヴォーカルもイカシてます。
 line