y pronto!


早いもので今年も残すところあと僅か。毎年恒例になりましたが、今月は「2009年のベストアルバム、または最近のジャケ買い」と題して、ワタナベが10枚のレコードを紹介していこうと思います。

今年は古譜はヨーロッパの7インチ中心、新譜はボッサとかエレクトロニカとかをCDで買って聴いていました。今回ここで取り上げるのは、やはり前者のほぼアナログ盤だけのセレクトとなりました。

Toru WATANABE (pee-wee marquette)

01,02,03,04,05,06,07,08,09,10:
Toru WATANABE (pee-wee marquette)



CANA BRAVA / CANA BRAVA
(VELVET)


今年最大のディカバリー。スペインのファンク〜ラテン系グループで1970年代初頭の録音と思われます。「DUM - DUM」「BLA, BLA, BLI BLI」が収録されているシングル盤は一部で知られていますが、本作はそれらが収められているアルバム。他の曲も強力です。シャッフルリズムに混声ヴォーカルがソフトロックテイストの「PIESALO BIEN」、重厚なブラスが印象的なグルーヴィなファンクナンバー「MELCOCHA」など、バラエティに富んだサウンドがぎっしりの名盤。


AUGUSTO ALGUERO PARA SUS AMIGOS / GWENDOLINE
(ALGUERO)


柄シャツとサングラスで何やら怪しげな笑顔を浮かべるスペインの名コンポーザー&ピアニスト、AUGUSTO ALGUERO。以前も彼の作品を紹介したことがありますが(過去記事)、これは1970年前後にリリースされたシングル盤です。裏面「TARTUFO」が楽しい。曲前半は女性の笑い声をフィーチャーした作風ですが、後半に入るとタイトゥンアップ風ギターと早弾き超絶ピアノ、さらにファニーなムシ声も入って俄然盛り上がります。


THE PEELS / JUANITA BANANA
(KARATE)


バナナのイラストが印象的なジャケット、PEELS(皮をむく)というバンド名、KARATEレコードというレーベル名、さらに空手イラストを配したレーベル面・・・ビザールなエレメントが詰まった風変りなレコードです。アンリ・サルヴァドールのカヴァーが有名な「JUANITA BANANA」は、オペラ風の女性ヴォーカルとファニーなサウンドが楽しい一曲。裏面「FUN」は「バットマンのテーマ」を引用したメロディが楽しいモッドなナンバーでフロア対応。


CLIFF ADAMS / WHEN IT COMES TO THE CRUNCH
(BARNES/ADAMS)


1960年代後半には様々なダンスステップが流行しましたが、これは「クランチ」というダンスリズム〜ダンスステップのシングル。ペラペラのソノシート盤なので、正規発売されたものではなさそうです。表題曲は男女ヴォーカルとハモンドオルガンがモッドでダンサブル。"When it comes to the crunch"は"いざという時"という意味らしく、クランチに掛けた言葉遊びも洒落てますね。裏面「RHYTHM AND CHUNCH」はインストで、こちらもゴキゲンです。


FERNAND RAYNAUD / OH! EH! HEIN! QUOI!
(PHILIPS)


フランスの喜劇役者フェルナン・レイノー。数々の映画にも出演していますが、自身で歌ったレコードもたくさん残している。本作は1960年代後半にリリースしたコンパクト盤で、バッキングがアルアンド・ミジアーニが手掛けている。タイトル曲はニノ・フェレールの人気曲「OH! HE! HEIN! BON!」のカヴァー。原曲のファニーな曲調とコメディアンの相性は抜群ですね。ちなみにこの赤ジャケの他にほぼ同じデザインの青ジャケも存在します。


NICOLE MARTIN / LA PREMIERE NUIT "D'AMOUR" (CAMPUS)

カナダの女性シンガー(フレンチカナディアン?)、ニコル・マルタンの1970年代前半リリースのアルバム。フランス語で歌う「TOUT TOURNE ET TOUT BOUGE」がファンキーで格好良い。ワウのかかったギターのイントロからミッドテンポのファンキーリズムに動き回るベースライン、さらにサビはスキャットで決めています。先月紹介したエディ・ミッチェル「L'ACCIDENT」に通じるところがあります。一方、「JE REVIS DIEU MERCI」は爽やかアコースティックグルーヴ。


CLARINHA / MON MARI ET MES AMANTS (MOTORS)

クラリニャというブラジルの女性シンガー。本作は彼女が1970年代に録音したシングルで、ハニカム・デザインが素敵なフランス盤です。彼女のこの盤もナラ・レオンなどど同様に、ブラジルからフランスに渡って録音されたものなのでしょうか(詳細は分かりません)。表面は「MON MARI ET MES AMANTS」は凡庸なボサノヴァですが、裏面「IEMENJA」は、チャカポコと鳴りの良いブラジリアンリズムから入る、ホーンも決まったアップテンポのナンバー。グルーヴィですね。


BRUBO MARTINO / SABATO SERA (ARISTON)

1960年代のイタリアのTVで人気を博した音楽バラエティ『SABATO SERA』。当時のイタリアのリヴィングルームでは、家族揃って土曜の夜を楽しんだのだろうと想像する。ブルーノ・マルティーノの本作も「SABATO SERA」関連の一枚のようです。タイトル曲は、冒頭に女声スキャットを配したスタイリッシュなボサノヴァ曲。ブルーノ・マルティーノのダンディな男前ヴォーカルが素敵です。裏面はスロウなジャズナンバー。


LAS TRILLIZAS DE ORO / LAS TRILLIZAS DE ORO (FERMATA)

三つ子のレコードといえばフランスのLES JIMINIS 3が有名ですが、これはアルゼンチンの三つ子ちゃん。グループ名のLAS TRILLIZAS DE OROは「金の三つ子」という意味だそうですが、後にフリオ・イグレシアスの提案で「トリックス」に改名している。彼女たちのレコードのたくさん出ていますが、本作は1969年リリースのアルバム。PALITO ORTEGAとBEN MOLARという人物の仕切りのもと、彼女達は元気一杯に歌っております。


ALESSANDRO MAGNANINI / SOMEWAY STILL I DO
(SCHEMA)


イタリアン・サントラ meets バート・バカラック。イタリアのSchemaレーベルといえばジャズ/ラウンジ・レーベルとして知られていますが、このアレッサンドロ・マグナニーニのデビュー作は、1960年代映画音楽趣味と彼の作曲家としてのほとばしる才能を感じる。レーベルカラーを反映したジャズ&ボッサに加えて、バート・バカラックを筆頭とする1960年代映画音楽のエッセンスが散りばめられている。モロにBacharach-ishな「LIVIN' MY LIFE」には心奪われたなぁ。