何年も探し続けているレコードがある。それは『THE COOL ONES』というアメリカ映画のサントラで、数年前に映画本編をブート・ビデオで観て以来、サントラを探し続けているのですが、サントラが存在しているのかの情報すら掴めない。もしご存知の方が居られましたら、ぜひ御一報を。

今月のお題は「ディープ」。ディープなナンバー、ディープでマニアックな音楽、ディープなジャケットなどなど、ディープなレコードのセレクションです。

Toru WATANABE (pee-wee marquette)

02,04,06,08,10:
Toru WATANABE (pee-wee marquette)
01,03,05,07,09:
Masao MARUYAMA (musique dessinee)



V.A. / MORE ETHIOPIAN SOUL AND GROOVE
(POLYDOR)


“ディープ”過ぎる音の世界…。パイオニア的な存在のMULATU ASTATKEが有名どころではありますが、もちろん他にも優れたジャズ〜ファンク系のアーティストを輩出しているエチオピア。その独特過ぎる“ディープ”な音の鳴りが強烈な、グルーヴィーチューンをコンパイルした作品(の続編)がコチラ。タイト&ファンキーな演奏に、程よく加味される中東的なエッセンス、どこか歌謡臭漂う独特の歌唱法など、結果として生み出されたグルーヴのスゴさは、地肌に伝わる位の衝撃度です。ファンキーなソウルから、ディープなジャズまで、まさしく“あなたの知らない(“ディープ”な)世界”がここに…。


EDDY MITCHELL / LES VIEUX LOUPS
(BARCLAY)


フランスのエルビス・プレスリー、ことエディ・ミッチェル。男臭いロックンロールを得意とする彼ですが、過去に紹介している通り(過去記事)素晴らしい音楽をたくさん残しているんですね。さて、本作は1969年リリースのシングル盤で、裏面「L'ACCIDENT」はディープなファンク〜ソウル志向のダンスナンバー。重心低めなベースラインにソリッドなリズムも効いていて、拳を突き上げて盛り上がるダンスフロアが容易に想像できます。


JORGE LOPEZ RUIZ / EL GRITO
(CBS)


ジャケットが思いっきり“ディープ”ですよね…。アルゼンチンのベース奏者、JORGE LOPEZ RUIZが1967年に吹き込んだリーダー作。ピアノ奏者・RUBEN LOPEZ FURSTなどをFT.した、アルゼンチンジャズ界の豪華面子による激渋のビッグバンド盤です。中でも緊張感溢れるイントロから悶絶の極上のモーダルワルツの「EL GRITO」がスゴい。緩やかなイントロから、ダイナミックなホーンが唸りを上げるサビの展開が衝撃です。同じく、歯切れの良さが際立つワルツの「HASTA EL CIELO,SIN NUBES, CON」も相当“ディープ”な格好良さ。


PAOLA TEDESCO / BATTICUORE
(DURIUM)


イタリアの女性シンガー、パオラ・テデスコ。実は女優としてのキャリアが有名で、映画『黄金の7人・1+6/エロチカ大作戦』にも出演している。本作は1975年リリースのシングル盤で、テレビ番組『UN COLPO DI FORTUNA』の主題歌にもなっていたらしい。「BATTICUORE」はキャッチーなメロディが印象的なナンバー。エレピとアコギがグルーヴするイントロから、サンバとソウルが交互に展開するようなアレンジで楽しく踊れます。


VISITORS / IN MY YOUTH
(MUSE)


ジョン・コルトレーンの奥さんの従兄弟(ちと、ややこしい)としても知られる、フィラデルフィア出身のEARLとCARLのGRUBBS(サックス)兄弟によるユニット、THE VISITORSの1972年の隠れ名作。そのサウンドは、コルトレーンからの影響が色濃いのですが、ピアノのイントロから心地良く、清々しさすら感じさせるタイトル曲「IN MY YOUTH」がまず素晴らしいです。他にも、クオリティの高いモーダルジャズ満載で、抑制の効いたテーマもクールな「THE VISIT」、「MOOD SEEKERS」、ワルツ調の「THE JUGGLER」なども興味深いです。


SPAIN / ME ROMPO EL ALMA (MOVIEPLAY)

スペインの5人組ロックバンド、スペイン。そのものズバリなアーティスト名に、彼らの本気度が伺えますね。本作は1973年リリースのシングル盤。ロッキンなA面は置いておいて、ソウルフルなB面「STAY WITH ME」が秀逸です。ワウのかかったギターカッティングのイントロからエレピが効いたソウルフルな音楽。サビではかなり込み上げてきます。ちなみにこのグループは既に解散しているようですが、Myspaceで彼らの音源を聴くことができます。探してみてください。


CLARE FOSTER / THE MUSIC AND I (FMR)

“音楽とわたし”…。素晴らしいタイトルも好感度高いです。艶っぽさも感じさせる歌声が魅力、英国の実力派女性ジャズシンガー、CLARE FOSTERが2003年に吹き込んだ秀作が本作。二管編成のクインテットの演奏を背に伸びやかな歌声で楽しませてくれます。基本は、オーソドックスなスタイルのジャズヴォーカルですが、彼女の自作のタイトル曲「THE MUSIC AND I」は、跳ねるピアノに絡むホーンと高揚する曲調がダンスフロアにも映えそう。疾走感溢れる、知られざるスキャットジャズの名曲です。他にも、華麗なボサジャズの「LOVE IS A MANY SPLENDORED THING」とか、クオリティ高い。


THE CHANGING SCENE / THE CHANGING SCENE (AVCO EMBASSY)

蝋人形の館に迷い込んだようなこのジャケット、怪しすぎます。これはNYの4人組グループが1971年にリリースしたアルバム。米国のマーケットでは"サイケ"に分類されているレコードですが、日本人が聴くとまさにソフトロックど真ん中な作風なのです。オープニング曲「SWEET AND SOUR」からアップテンポで爽快なナンバーの連続。しかし、何といっても、このディープなジャケットと音楽性のギャップに尽きますね。


MATTHEW HALSALL / SENDING MY LOVE (GONDWANA RECORDS)

体育座り&トランペット…(さらに、河原っぽい風情も…)。このシチュエイションだけでも、何故かソソられます。マンチェスター出身の若きトランぺッター、MATTHEW HALSALLのデビュー作『SENDING MY LOVE』は、その青臭さ漂うジャケット通りの程よいソウル感と美しさ、鮮烈な“青さ”を漂わせた名作です。トランペットの技術がどう、と言う感じでは無く、とにかく繊細なメロディラインが素晴らしいのです。抑制の効いた旋律が繰り返す「ON THE OTHER SIDE OF THE WORLD」、「SACHI」など、全5曲。派手さは全くありませんが、聴けば聴くほどに味が出ます。


GUIDO E MAURIZIO DE ANGELIS / PIU'FORTE RAGAZZI!
(RCA)


イタリア映画『フライング・ブラザース』(1972年)のサントラ・シングル。きついジャケットですね(笑)。所謂マカロニ・ウエスタンの冒険活劇で、当時はなかなかのヒットを記録したらしい。このサントラ・シングルでは、意外にも盛り上がるサンバ「PLATA AND SALAD」が収録されている。7インチにしては長い尺の曲で、次第に盛り上がっていく展開も嬉しいです。華やかな混声スキャットもフィーチャーされています。