遅ればせながら、あけましておめでとうございます。毎年同じような出だしで恐縮ですが、2008年も何卒よろしくお願いします。

さて、僕にとっての2007年、それは「走りすぎた年」でした。特に後半はプロデューサー業(プロダクション・デシネ)で怒濤のリリースラッシュがあったり、ヨハン・クリスター・シュッツの初来日公演でツアーをしてみたり、師走の大忙しの時期にはお店(ディスク・デシネ)の引越の為に内装業をやってみたり。とにかく「休む暇が無い」一年でした。おかげさまで無事に移店も完了し、真新しいオフィスの中で、2007年を振り返ってみることにします。手前味噌なモノも混じってますが、好きだからこそリリースしたい、好きだからこそ紹介したい、そう言う単純なことをやっているつもりです…

Masao MARUYAMA (musique dessinee)

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Masao MARUYAMA (musique dessinee)



BIRGIT LYSTAGER / VORES EGET LILLE STED
(production dessinee)


ビアギッテ・ルゥストゥエア。このコーナーで彼女の作品を最初に紹介したのはもう7年も前の事なんですね。当然、その間にも僕の好きな音楽のテイストとかは微妙に変化したり、成長して行く訳ですが、やっぱりいつ聴いても、何度も聴いても良いモノは『良い!』と思わせてくれるのは、こんな素敵な音楽です。曇ることを知らないキラキラした音の粒達。切なげな「VORES EGET LILLE STED」のイントロを聴く度、自分の好きなモノは余り変わっていないなぁ、と実感出来ます。


JOHAN CHRISTHER SCHUTZ / BLISSA NOVA
(production dessinee)


大盛況だった来日公演も記憶に新しい、北欧はスウェーデンのSSW・ヨハン・クリスター・シュッツ、待望の2ndアルバム「ブリサ・ノヴァ」。前作の衝撃がスゴすぎて、正直聴くまではドキドキ物でしたが、聴いてビックリ&感動の北欧ボサノヴァの名作(再び!)に仕上がりました。オープニングを飾る「PLUNGE INTO THE MIRACLE」から曲名通りのミラクルが飛び出し、気がつけばひたすらリピート、なヨハン・マジック炸裂の傑作です。今年も生演奏を見たいですネ…


PAULO MUNIZ / SINE QUA NON
(production dessinee)


傑作1stアルバム「Trying to fool destiny」の記憶も新しい(ハズ)、ブラジルのSSW・パウロ・ムニツが早くも届けてくれた2ndアルバム。程よい青臭さと瑞々しさを感じさせるメロディ、甘く語りかけるような歌声はそのままに、ストリングス等を交え、よりメロウに進化したスウィートボッサ満載です。心の琴線に触れる旋律の数々は、パウロくんから溢れ出る音楽への情熱そのものでしょう… とは少し言い過ぎかしら。


V.A. (Compiled by Masao MARUYAMA) / MUSIQUE DESSINEE 02
(production dessinee)


(再びの再び)音楽好きなら誰にでも「特別な1曲」と言うのがあるハズです。そんな「特別な1曲」だけが詰まった夢のコンピをもう一度。より明確なテーマを持たせ、よりドラマチックに自分にとっての特別な曲達がコンパイルされる。考え抜いた曲順や微妙な曲間の調整、そのパッケージも特別なモノに仕上げたいと思うのは当然の事しょう。便利だけどちょっと味気ない「配信」では得る事が出来ない、「素敵な何か」に仕上がってれば嬉しい限りです…


TENNISHERO FEAT. CHELONIS R. JONES / ALONE
(DNM)


テニスヒーローって、何だかあんまり強く無さそうなネーミングもいいセンス。スウェーデンのエレクトロ・ポップ・ユニットの好曲です。シンプルなビートワーク、無駄の少ないアレンジが、良い意味で緩やかに上昇して行くメロディを際立たせています。ややもすれば無機質になりがちな打ち込みの音楽ですが、その音の質感に反して、かなりの歌心を感じさせますね。「良い音楽」に「良いメロディ」は必要不可欠てことでしょうか。


MATIAS TELLEZ / A BRAND NEW KICKS (FLAKE SOUNDS)

北欧はノルウェイが生んだ天才SSW、MATIAS TELLEZの傑作デビュー作「TAMIAS MELLEZ」からの7’カット。天才なんて言葉、滅多な事では使ってはいけませんが、かなりの天才肌(あるいは天然)と見ました。弾けたタイトル曲も最高ですが、個人的にはその愛らしいタイトルをそのまんまメロディに落とし込んでしまったかのような「I LOVE I LOVE I LOVE」がお気に入り。このホワ〜ンとした空気は、神業に近いかも…


JERLINE AND FRIENDS / BEST OF FRIENDS (P-VINE)

思わず「オイオイ」と言いたくなるようなレア音源。別に高額な盤とか、プレス数が僅か何枚とか、そう言う下世話な話ではなく、30年近く眠ってた未発表音源なんだそうです。その経緯については、きっと色んな大人の事情があったのでしょう。ただ音の方は、そのイントロから痺れるようなタイトさで迫る極上のディスコ〜ソウル「TELL ME」、名門BRUNSWICKレーベルの諸作を思わせる、ラブリーな「THE BEST OF FRIENDS」など半端じゃないのです。


LENA JANSSON-NILS LINDBERG COMBO / PAY SOME ATTENTION TO ME! (BLUEBELL OF SWEDEN)

この絶妙のアングル、このジャケで悪い音を想像するのが難しいかも。スウェーデンの女性ジャズシンガーLENA JANSSONの1984年のGEORGE & IRA GERSHWIN作品集。その歌声にはハリと透明感があり、演奏も非常に穏やかで楽しめます。その中でも最高なのは、イントロからハッピーな空気が充満するかのような「SOON」。しなやかに歌うホーンの音色、LENAの柔らかい歌声に包まれる、至福の疾走ナンバーです。


TRIO RUBEN LOPEZ FURST / JAZZ EN LA UNIVERSIDAD (EDUL)

鳴り始めた音楽が余りに素晴しすぎて、ため息がこぼれる瞬間ってありますね…。アルゼンチンのピアニスト、RUBEN LOPEZ FURSTが1967年に残した名作「JAZZ EN LA UNIVERSIDAD」のオープニングを飾る名曲「HOMBRE AMAESTADO」は、まさにそんな一曲。ビル・エヴァンス系のタッチで聴かせる彼の自作曲ですが、その哀愁に溢れたイントロから言葉に出来ない情感が、ささやかなミラクルが起っています。ただひたすらに切ないです…


MONICA DOMINIQUE / TILLAGNAN
(DAG VISA)


鳴り始めた音楽が余りに素晴しすぎて、ため息がこぼれる瞬間ってありますね…(その2)。スウェーデンの作曲家・ピアニストMONICA DOMINIQUEがトリオ編成で残した1980年の作品「TILLAGNAN」は、愛らしいジャケットをそのまま「音」で表現した、優しくも切ない名作です。特に素晴しいのは「TILLAGNAN I」。甘くメランコリックなメロディが素敵すぎるこの曲を、言葉で表現するのは「野暮」以外の何モノでもありません。ただひたすらに素敵 です…