早いもので今年も残すところあと僅か。毎年恒例になりましたが、今月と来月は「2007年のベストアルバム、または最近のお気に入り」と題して、ワタナベ&マルヤマが1人ずつ10枚のレコードを紹介していこうと思います。

まず今月はPWMワタナベが選ぶ10枚です。1年前に買ったレコードのことは余り思い出せなくて、比較的最近手に入れたものの中から一掴み的な内容になりました。

Toru WATANABE (pee-wee marquette)
01,02,03,04,05,06,07,08,09,10:
Toru WATANABE (pee-wee marquette)



LUIS ENRIQUEZ BACALOV / CUORI SOLITARI
(RCA)


僕にとってとても大切な、生涯の一曲。イタリアの作曲家ルイス・エンリケス・バカロフによる1970年公開の映画『CUORI SOLITARI』のサントラシングル。「CUORI SOLITARI」という曲をコンピ『EASY TEMPO』で聴いて以来、大好きな曲で何度も聴き続けてきたのですが、最近ようやくシングル盤を入手しました。「よくぞここまで!」という計算し尽くされた完璧なメロディ/コード進行を発明したバカロフ。美しくもはかない、いつまでも聴いていたくなる大名曲です。


GIORGIO MORODER / BLA BLA DIDDY
(AZ)


イタリア出身のジョルジオ・モロダーは電子音楽〜ディスコ畑で有名ですが、デビュー当時は「マナマナ」もやってたりするバイタリティのある音楽家。この7インチは1960年代後半にリリースされたコンパクト盤。ヨーロッパでは1960年代のバンドサウンドのことを「フリークビート」と呼ぶことがあるのですが、このシングルはシタールも飛び出すアップテンポな「BLA BLA DIDDY」を筆頭としてフリークビートど真ん中な楽曲が並んでいます。アメコミっぽいジャケットも素敵。


LULU / BOOM BANG-A-BANG
(COLUMBIA)


以前紹介したAGNETHA FALTSKOG「GE DEJ TILL TALS」のオリジナル・ヴァージョン。この曲はルルのベスト盤CD『TO SIR WITH LOVE』に収録されているのですが、どのレコードに収録されているのかはオフィシャルサイトのディスコグラフィを探しても見つからなくて・・・随分時間が経ったある時、「BOOM BANG-A-BANG」のコンパクト盤、しかもポルトガル盤だけにこの曲が入っているのを発見!アップリフティングなグルーヴィーソフトロックで最高です!


HERMANAS BENITEZ / EL MONKEY
(DISCOPHON)


鈴木さんが紹介してた『ロシュフォールの恋人達』の「双子姉妹の歌」をカヴァーしているスペインの三人組ガールグループ。ジャケットのルックスから連想するに、モータウンのシュープリームス辺りを狙って結成されたグループなんだと思う。この1966年のコンパクト盤に収められている「EL MONKEY」はシャーリー・エリス「CLAPPING SONG」をスペイン語カヴァーしたもの。ひとつのコードだけで進行する手拍子ソング、俄然盛り上がります。


GERALDINE / C'ETAIT TOI
(POLYDOR)


素敵なピクチャースリーヴに思わずジャケ買いしてしまいました。フランスの女性シンガー、GERALDINEの1960年代の4曲入りコンパクト盤。A面2曲とB面1曲目まで聴き終わった時点で「音のほうはハズレか…」と思ったのですが、最後の1曲「LES CHATTES」で逆転ホームラン。キュートなイエイエナンバーが収められていたのでした。その後のリサーチの結果、もう一枚のコンパクト盤のリリースを確認しましたが、そっちもジャケットは最高(でも中身は知らない)。


JANET SMITH / I'M A DELIGHTFUL CHILD (PACIFIC CASCADE)

子供モノの傑作。作曲家、演奏家、アレンジャー、ヴォーカリスト…とマルチなタレントを発揮するジャネット・スミスという女性音楽家の1977年作。裏ジャケでは、JANET & MIKE(夫妻?)と6人の子供達の写真が載っています。「A CHILD'S PRAYER」、この一曲に尽きます。バッキングはピアノだけ。冒頭でGIANNIちゃんがたどたどしい歌声で歌う至極シンプルな曲のですが、とても切なくて泣けてきます。どうしてこんなに泣けてくるのだろうといつも不思議に思います。


MARCIA / ARRASTAO (RGA)

真っ赤なジャケットが印象的なブラジルの女性シンガー、マルシアの1970年のシングル盤。バッキングにはピアノトリオ、MANFREDO FEST TRIOががっちりサポートしています。A面「ARRASTAO」はセルジオ・メンデスとかもカヴァーしてるエドゥ・ロボの名曲で、シンプルなジャズボサのアンサンブルで好演してます。そしてさらに良いのがB面「MISS BIKINI」。こちらもシンプルながら力強い演奏でなかなかクラビーです。


AOYAMA / 月を見る (MONA)

ここからは今年よく聴いた邦楽新譜をご紹介。アオヤマという男女デュオのデビューCD。ヴォーカル担当の青野さんとバッキング担当の山口さんでアオヤマ。前に丸山さんが紹介していたテリー&フランシスコとも仲良しなのだそうです。1970年代の荒井由美やシュガー・ベイブを彷彿とさせるサウンドで、大人のためのポップスという感じ。月の綺麗なある夜、車を運転しながら「月読み」という曲を聴いていたら、琴線に触れまくりで胸にジーンときました。


TRIO LOS MICHELLE GINGA / RUBAN (CHANT D'OISEAUX RECORDS)

トリオ・ロス・ミッシェル・ギンガはメンバー変更を繰り返して、今はMichelle・Uさんのソロユニットとなっています。レコーディング・エンジニア、ヴィンテージ録音機材の研究・修理・メンテナンスでは日本屈指のスキルを持つ"シュガー・スペクター"としての側面も持つMichelle・Uさん、「何故モノラル録音?」「何だか昔の曲みたいだ」・・・一聴すると不思議ですが、聴けば聴くほど、知れば知るほど、奥深く素晴らしい音楽。カヒミ・カリィさんが歌うボサノヴァ曲が素敵です。


EMI KAWANO TRIO / RAINY DAY
(COMEDY TONIGHT)


ジャズ・ピアニスト/シンガー・ソングライター、河野絵美さんのデビューEP。タイトル曲を筆頭として、ピアノ・ドラム・ベースだけの演奏とは思えないほど音圧が高いクラブ仕様のジャズに仕上がっています。プロデュースしている三浦信さんは、ミックスCDを何枚もリリースしたり、今回のようにプロデュース〜リミックス業も多数こなしています。三浦さんとデザインの話題でも共感することが多くて、今回のディック・ブルーナ風なジャケットも好みでした。