2006.2
以前、ウィリアム・クラストンのドキュメンタリー映画『JAZZ SEEN』の劇中に登場する映画『BASIC BLACK』がどうしても観たい!と書きました。その時は全く反応が無かったのですが、先日偶然にもRUDI GERNREICHのサイトで『BASIC BLACK』が観れることを発見してしまいました。映像にも音楽にも1960年代後半の濃密な空気が充満していてホント素晴らしかった。皆さんもゼヒ。>> コチラ

今月のお題は『BASIC BLACK』に敬意を表して「俳優と女優」。俳優・女優が歌っているレコード、俳優・女優がジャケットに写っているレコード、何となく俳優・女優気取りのレコード・・・のセレクションです。




RAYMOND LEFEVRE / DECLIC ET DES CLAQUES (BARCLAY)

1965年フランス/イタリア合作映画『DECLIC ET DES CLAQUES』。映画の内容については良く分からないのですが、レイモン・ルフェーヴルの手掛けた音楽はとてもヒップ。ハッピー・ツイスト「COUSCOUS PARTY」も良いけれど、最大の注目曲は「TENTATION」という1分半の曲。アップテンポでスリリングなジャズに乗せてクリスチャン・ルグランの高域スキャットが映える最高のナンバー。ブリジット・バルドー主演『殿方御免あそばせ』のテーマを凌ぐかっこよさです。



PASCALE AUDRET / LA MOME ANITA (BARCLAY)

娘さんも女優として活躍中のパリ出身のパスカル・オードレ。日本ではさほど有名ではありませんが、清楚な雰囲気でフランスでは永らく人気のあった方だそうです。そんな彼女が70年代に吹込んだ本作は、全体的にはアンニュイ(!)な雰囲気全開のいかにもフレンチポップスですが、1曲「CESSE DE...」だけはチョッピーなオルガン、ヘヴィーなリズムワークが妙に格好良いです。強烈なブレイクで有名なORIGINAL POP CORNでお馴染みのFRANZ AUFFRAYのクレジットがあるのも妙に納得してしまいます。



ANGELA / LE MOUSTIQUE (PRODUCTION ML)

以前、ミシェル・ルグラン自身のレーベルのORLANE PAQUINという女性シンガーを紹介しましたが、これも"PRODUCTION ML"からの一枚。アンジェラという女性シンガーで、フォトジェニックなルックスから、彼女は女優かモデルなのではないかと想像させます。プロデュースはもちろんルグランで、バッキングはジャンヌ・モローのレコードでも御馴染みのギー・ボワイエ。「LA CHANSONS A PLUS BELLE」が変拍子の素敵なナンバー。



FRANCK FERNANDEL / L'AMOUR DE PLEIN ETE (FESTIVAL)

古くは60年代から、かなり長い活動歴を誇る仏の男性シンガ−、フランク・フェルナンデルの78年の7'。映画等にも出演してる才能豊かな方のようですが、何と言ってもその渋くも印象的な歌声が良い感じです。マッタリしたシンセがウニョウニョと鳴るタイトル曲はちょっとメロディアスなスロウの佳作曲ですが、SIDE Bに収録のインスト曲「NEUF HEURES MINUIT」がメロウなエレピと歌うギターが絡むミディアムテンポの楽曲で良い感じです。ただ、この曲に関してはフランクさんは余り関係ないかも...



V.A. / HOLDAY IN RHYTHM (SABA)

ドイツのSABAレーベルから1970年前後にリリースされた謎多きコンピレイション。DIE PERRY SINGERSというコーラスグループの曲が5曲収められていて、ボサ風のリズムに男女混声スキャットの入る「CRAZY DOLLS」などはなかなか良い雰囲気。他もOLE OLAFSENのボサノヴァ「BOSSA NOVA GUITAR」や「ESPLANADA」など、透明感溢れるサウンドのナンバーが収められています。ジャケットもナイス。



FRANCOIS DE ROUBAIX / LES NOVICES (BARCLAY)

1970年の仏コメディ映画「パリは気まぐれ」のサントラ盤。ブリジット・バルドー、アニー・ジラルドの仏の二大女優が写るジャケがとても可愛らしく、その二人が歌う「CHACUN SON HOMME」とか本当にラブリーですが、仏の天才フランソワ・ド・ルーベのファンキーサイドの頂点を垣間みれる「JUST BE COOL」が鳴り出した瞬間にそんな事はすっかり忘れます。鬼の様なブレイク、唸るホーン、吠えるヴォーカルが一体となって迫る問答無用のファンキーナンバー。ただひたすら熱く、ダイナミックに格好良いです。



FRANCES FAYE / CAUGHT IN THE CITY (GNP)

映画にも出演している女性シンガー、フランシス・フェイの1960年代のライヴ実況盤。ジャック・コスタンツォのバンドがバッキングを担当していて、素晴らしいラテン・アレンジとフランシス・フェイのヴォーカル、そして何より熱気に満ちたオーディエンスが最高です。緩急のつけたグルーヴィーなアレンジの「NIGHT AND DAY」や高速パーカッションが壮絶な「MALAGUNA」など、会場の盛り上がりも素晴らしいです。続編もリリースされている。



OMAR SHARIF / CINQ COEURS POUR ELVIRE (BARCLAY)

名画「アラビアのロレンス」、「ドクトルジバゴ」等で知られるエジプトはアレキサンドリア出身の世界的な俳優のオマー・シャリフが、74年に何故かフランスで録音した7'。詳細はよく分りませんが、優雅なアレンジとゆったりしたテンポで進むボサノヴァのタイトル曲が結構良い曲でビックリです。フルートやストリングスが奏でるメロディに乗せ、ちょっとお喋り気味に歌っててとても気持ち良さそうです。ニコール・クロワジールまで参加したバックの女性コーラスも華やかで、ショウビズの香り微かに漂って来ます。



THE JORDANS / CHICAO EXTRA NO.4 (COPACABANA)

ブラジルのジョーダンスというバンドの1970年前後のアルバム。スタイル・カウンシル『OUR FAVORITE SHOP』的なジャケットもナイスな、たぶん彼らの4作目。バカラック「THE LOOK OF LOVE」やビートルズ「OB-LA-DI, OB-LA-DA」といった米英の1960年代のヒット曲をゆるーいオルガンを交えてカヴァーした曲が多いのですが、大好きな「SOULFUL STRUT」のカヴァーにおけるフレッシュな躍動感はなかなかのもの。



MARIA NAZARETH, IRP-3 / SONINHA TODA PURA (CHANTECLER)

禁断のシーンまであと一歩、と言う感じのジャケは恐らくこの映画からのワンカットと思われる、71年のブラジル映画「SONINHA TODA PURA」の非常に貴重なサントラ7'。音楽はその偉大な才能にも関わらず早くに他界してしまったERLON CHAVESが手掛けていますが、SIDE Bに収録のIRP-3なるグループによる「TEMA DE SONINHA」が、タイトルに何の意味があるのか分からないくらいにファンキーなインストで腰を抜かします。イントロのドラムブレイクから次々と重なる各パートが一体化しつつ突き進む様は、まさしく圧巻。たったの二分で終わってしまう潔さに脱帽です。




01,03,05,07,09: Toru WATANABE (pee-wee marquette)
02,04,06,08,10: Masao MARUYAMA (musique dessinee)