2004.1
2004年。すっかり年も明けてしまいました。本年も一つ宜しくお願いします。先月のワタナベ編に続きまして、マルヤマ編です。職業柄沢山レコードを聴くのですが、一体年間何枚聴いてるか考えると気が遠くなるので止めました。でも、良く聴くレコードと言うのは本当に同じ物ばかりを何度も聴いてしまいますよね?10枚適当に選んでみましたが、見事に自分の好みが反映されてるので笑えます。新サイトもオープンしましたので、そちら共々宜しくお願いします。




CRAVO & CANELA / PRECO DE CADA UM (PESQUISA)

ミルトン・ナシメントの名曲からグループ名を付けたのでしょうか?1977年にひっそりとインディーレーベルからリリースされたCRAVO & CANERAなるグループの傑作盤。フロントの二人の女性ヴォーカルの存在感が華やか印象を持たせますが、その圧倒的に正確なリズムが叩き出すグルーヴ感が凄い。キャッチーで華のあるコーラスと極上のベースラインでフロアーを大きく揺さぶるダンサーのタイトル曲も素晴しいですが、音楽の素晴しさを教えてくれる「ASA BRANCA」がもう最高。



PAUL MILLE ET SON ORCHESTRE / ST (DISQUES VOGUE)

フランスのオーボエ奏者PAUL MILLEの数あるリーダー作の中でもずば抜けてグルーヴィーな作品。基本はオーケストラをバックに彼のオーボエが飛び交う音作りですが、LP中最もファンキーな、ズバっと打ったドラム、男性スキャットもクールな、曲名通りのオルガンとオーボエが対決するような「ORGANOBOE」、JUMPING JACQUESを思わせるようなハッピーな「JUMPING ON THE MOON」等良曲揃い。中でも打ってるドラムのミディアムテンポの「I'M NOT AFRAID BY DEATH」は過激なタイトルも素敵な込み上がる名曲。



THE SUPSONIC / CONCORDE 001 (PDG)

1969年、完成後初めて仏のトゥールーズを飛び出した英仏合同で開発された超音速旅客機コンコルド001のノヴェルティーレコード。その名もTHE SUPSONIC(=SUPERSONIC=超音速)なるグループによる3曲入りのEP盤。雲を切り裂くコンコルドのジャケットも秀逸ですが、「MACH 2/2」はシャープなハンドクラップと腰に来るベースライン、手数の多いパーカッションが生む極上のブレイクビーツ上を、コンコルドの轟音が切り裂いて行く、まさに音速のグルーヴィーチューン。速すぎて決して誰も追いつけません。



PIERRE MAIZEROI / SALSA (TOULOULOU)

天高くどこまでも伸びていく素晴しいギターの音色で鳴らされる最高のイントロダクション。軽やかなパーカッションと不安定なヴォーカルを披露するのは、ジャケットに写るPIERRE MAIZEROI。戦前のフランスで流行した西インド諸島に端を発するダンス'BIGUINE(ビギン)'のエッセンスがちりばめられた、胸を締め付ける切ないメロディーのサンバ「LEVE LEVE」はその儚いメロディーが耳にこびりついていつまでも鳴り止まない、仏産ブラジリアンの頂点に位置する名曲。悲しく無くても泣けてしまいます。



GUY MAGENTA / OST. LE DIABLE ET LES DIX COMMANDEMENTS (BARCLAY)

1962年のフランス映画”フランス式十戒”のサントラEP。映画自体はタイトル通り、キリスト教の十戒を当時のフランスの風俗を交えて映像化した8つのエピソードで語られる作品。音楽もGEORGES GARVARENTZ、MICHEL MAGNE等、豪華面子が揃っていますが、楽曲としてはGUY MAGENTAが手掛けた哀愁のサンバ「NOTRE SAMBA」が素晴しい出来。ハンドクラップを交えたサンバビートに軽妙なオルガン、切なく儚くもキャッチーな女性の'ラララ〜'コーラスが涙を誘います。こんな曲がエンディングで流れたら泣けちゃうかも。



林有三&サロン'68 / 映画のような人生 (APRIL)

《1968年のイタリア映画『映画のような人生』。音楽を手掛けるのは日本が誇るキーボード奏者、林有三氏と氏の率いるサロン'68。本家アルマンド・トロヴァヨーリ、ピエロ・ピッチオーニに勝るとも劣らないカラフルで洒落たスキャット飛び交うラウンジジャズ/ボッサの名盤!》と、このような(映画は勿論存在しません)コピーで輸入サントラコーナーに並んでいても全くおかしく無い2002年の作品。素晴しいタイトルをキーワードに展開する楽しく儚い世界を堪能出来ます。是非、笑顔で聴いてもらいたい『人生』のサントラ盤です。



PENNY GOODWIN / PORTRAIT OF GEMINI (SIDNEY)

軽やかな滑り出しでジャジーに駆け抜けるイントロダクションから、スムースにシフトチェンジしソウルフルなヴォーカルとそこに掛け合うようなフルート、エレピが紡ぎ出す素晴しい「WHAT'S GOIN ON」のカヴァーを収録した、無名の女性ジャズヴォーカリスト、ペニ−・グッドウィンが残した最高のジャズヴォーカル作品。彼女のヴォーカルの魅力を充分にその選曲センスとアレンジでソウルミュージックに昇華したプロデューサーRAY TABSの手腕も素晴しい1枚。粗悪なブート盤の出現もその音楽的な魅力のせいなのでしょうか?



B-BOP / FOR STARTERS EP. (EMI)

2003年のニューカマーの中では一際輝いていたUKのヒップホップ・グループ。その手軽なネーミングのセンスもかなり好みですが、彼等は以前紹介した同じくUKのDJ FORMATに近いグループだそうで、サンプリングを主体にした音作りは似ている物の、よりメロウな音作りにスムース極まりないMC陣のスキルも素晴しい。特に揺れるエレピが気持ち良過ぎる「ANTICIPATION OF THE RHYTHM」、スパニッシュギターが響き渡るR&B「THE MAKE-OP TRACK」等、とても新人とは思えない期待度・大のグループです。



流線形 / シティミュージック (APRIL)

2003年最も良く聴いた作品は間違い無くこれです、そしてベストの1枚も勿論これ。冒頭の名曲「3号線」からしてユーミンの名曲「中央フリーウェイ」を思わせる極上の国産メロウグルーヴ最高峰ですが、そんなセンスが全編に貫かれるたメロウな作品に仕上がっています。不安定ながらも耳に残るヴォーカル、流麗なキーボードワーク(は前述の林有三氏)、時代を感じさせるストリングスアレンジ、何よりも心地良く、優しいソウルを感じさせる楽曲が素晴しい。こんな素晴しい作品に出会えて幸せでしたと思える名盤です。



尾崎亜美 / 冥想 ( 東芝EMI)

今では作曲家/プロデューサーとして知られる尾崎亜美さん、若干19歳のデビューシングル「冥想」。メロウグルーヴの究極の形の一つとは言い過ぎでしょうが、個人的にはそう感じます。そのメロウで輝くメロディーは彼女のはち切れんばかりの才能の証でしょう。極上のイントロダクションやリズムワーク等、松任谷正隆が手掛けたアレンジも素晴しい。いつでもこの曲のイントロが鳴り響けばハッとさせられる、そんな素敵なナンバー。何万回聴いても名曲は名曲です。




01,02,03,04,05,06,07,08,09,10: Masao MARUYAMA (disques dessinee)