2003.9
少し前の話になりますが、イギリスのある機関が世界中から4万件ものジョークを集めて「世界最高のジョーク」を選んだのだそうです。4万ジョークの中から人気投票で選ばれた「世界最高のジョーク」とは・・・

2人のハンターが狩りに出たところ、そのうちの1人がバッタリと倒れ、息をしなくなった。驚いたもう1人のハンターが携帯電話で救急センターに連絡し、「友達が死んでしまった!どうしたらいい?」とオペレーターに尋ねた。オペレーターは「落ち着いて。まずは彼が本当に死んでるか確かめてください」。しばらくの沈黙の後、電話の向こうから1発の銃声が。そしてハンターが戻ってきて言った。「よし、次はどうすればいい?」

??? 外国人のジョークにはついていけない。

さて、今月のお題は「ユーモア」。音楽にはユーモアが必要だとよく言われますが、今月ご紹介するレコードは、ユーモラスな音楽やアーティスト、ユーモラスなジャケット・・・。思わず顔もほころんでしまいそうな(日本人にも分かる)ユーモラスな音楽のセレクションです。




HENRI LECA ET SON ENSEMBLE / TWISTING (CBS)

おませなツイストポーズを決めるちびっ子のジャケットも最高な1枚。残念ながらキュートなツイストキッズは歌って無いんですが、ユーモア溢れるジャケット同様にジャジーなツイスト「TWISITING THE NIGHT AWAY」や軽快で跳ねたボッサビートの「IN BRASILIA」等、恐ろしく正確なリズム感に弾けたピアノ、洒落た男女のスキャットもバッチリ入ったフロアユースなEP盤。



MONGO SANTAMARIA / BOOGALOO (CBS)

モンゴ・サンタマリアのブーガルー名盤。ジャケットの踊ってるギャルやポップな文字のタイポグラフィーのユーモア感覚にしびれます。モンゴ・サンタマリアの1960年代のアルバムはどれもかっこいい。このアルバムでは「WATERMELON MAN」「MONGO'S BOOGALOO」「WALK ON BY」が好き。ワイルドなブーガルーのビート、ソリッドなベースライン、ファンキーなホーンセクション、そしてたまに登場するヴォーカルや掛け声。パーティー向けのアルバム。



STEFANO LEBERATI / OST. PERICOLO NEGLI ABISSI (CAM)

これ以上は無いと思える位に最高なジャケットの1978年のイタリアサントラ。ちょっと見にくいかも知れませんが、巨大鮫と戯れるトップレスの美女が写ってます。しかも乳首突つかれてます(笑)。恐怖を通り越してユーモアを感じる素晴しいジャケット。音の方はファンキーなインストを中心にかなりハイクオリティー。しかしジャケットのインパクトが凄すぎて・・・。ちなみに裏ジャケは更に凝ってるんですが、お見せ出来なくて残念です。



GIORGIO MORODER ORCHESTRA / MAH-NA-MAH-NA (FIRST)

ユーモアといえばまずこの曲が思い浮かぶ。イタリア生まれのジョルジオ・モロダーの「マナマナ」のカヴァーです。1970年代後半に電子音楽〜ディスコ畑で大活躍する彼のデビュー・シングルがこの曲というのが可笑しいですね。いや、でもこれは百凡のマナマナ・カヴァーと比べても頭一つ飛び抜けた感じ。ブレイク時のユーモア感覚も最高。裏面「DOO-BEE-DOO-BEE-DOO」はマナマナのアンサーソングとも言えそうな♪ドゥビドゥビドゥ〜なオリジナル曲。



MAO MAO / MAO MAO (CARISSIMA)

フレンチ・ライブラリーの帝王(とは良く言ったものですね)こと、ヤンコ・ニロヴィックの匿名仕事の中でもファンキー度/レア度に加えてユーモア度もずば抜けた7'オンリーの作品。安上がりなジャケットも笑えます。音の方はズシリと重いミディアムテンポのビートにファンキーなギターワークの絡むトラックに、♪マ〜マ〜マ〜マ〜マオ〜なんてキャッチーなコーラスが乗っかるファンクネスとユーモアに溢れる変な1枚。



GOSTA / GOSTA (METRONOME)

スウェーデンのGOSTA LINDERHOLM。裏ジャケに描かれた動物達のイラストがユーモラスです。この1983年作に収められている「KARNEVAL」という曲が素晴らしい。アップリフティングなサンバリズム、キラキラ輝くピアノ・ブレイク、女性コーラスにゴスタの男気ヴォーカル。SVANTE THURESSONの「BIRDS OF BEATY」を連想する人も多いかと思いますが、それもそのはず、両曲でパーカッションを叩いているのはJOSE LUIZ PEREZで同一人物なのです。最高!



JO MOUTET / OST. SAN ANTONIO (BARCLAY)

サン・アントニオ警視が活躍する仏映画のサントラ盤。恐らく元はTVドラマのシリーズですが、これは1968年の映画版のサントラEP。音楽はアコーディオン奏者のジョー・ムッテ作。白眉は超ゴージャスなハイテンション・高速スキャットジャズ「PLEIN GOMME」。問答無用のキラーチューン、でも短い(笑)。同じくスピーディーなインスト「A TUEUR ET A TOIT」にラウンジ感漂うボサノヴァ「BERU ET CES DAMES」も秀曲。おバカなジャケットもユーモアたっぷり。



CHARLY AND THE BOURBON FAMILY / ACAPULCO GOLD (SAINT MARTIN)

チャーリーとブルボン一家。イタリアの男性4人+女性1人の五人組なんだけど、何でしょうこのグループは?ジャケットには何故か"鯉のぼり"。1971年リリースのこのシングル盤に収められている「BOOGACHI」はユーモラスで格好良いブーガルー風ラテンファンク。オープニングから「♪ブガチ・ウッ!ブガチ・オッ!」という呪文のようなコーラスから始まり、ファンキーなリズムとハモンドオルガンが切れ込んでくる時は身震いするほど格好良い!男ヴォーカルもグー。



DJ FORMAT / THE HIT SONG (PIAS)

ユーモアを通り越して病んでる感じのイラストが笑えるUKヒップホップの7'。デビューアルバム『MUSIC FOR THE MATURE B-BOY(成熟したB-BOYの為の音楽?)』からのカット。同じジャケで12'も出ましたが、白眉はこの7’に収録の「HERE COMES THE FUZZ」のTHE QUARTERTONESによる生音リミックス。生演奏でトランペット、フェンダーローズにフルートも交えた極上ジャズファンクに仕上がってます。JURASSIC 5とも共演済みの実力者なんですが、ジャケットとかPV(かなり面白いです)の雰囲気通りちょっと間抜けな感じが良いです。



BEAU JOCQUE & THE ZYDECO HI-ROLLERS / CHECK IT OUT, LOCK IT IN, CRANK IT UP! (WIRL)

身長2メートルの大男、ボー・ジョックはアメリカはルイジアナ州出身のアコーディオン奏者。ルイジアナ現地で発展したザディコという音楽を今風なダンスミュージックに発展させた人らしいです。アメコミ・ジャケの本CD(1998年リリース)には「TIGHTEN UP」のグレイトな生音カヴァーが。アコーディオンが入ることでアーチー・ベルのオリジナルよりも少しメロウになっていて非常に踊りやすい。他にもハイテンションでぶっちぎる「TEQUILA」もフロア向けです。




02,04,06,08,10: Toru WATANABE (pee-wee marquette)
01,03,05,07,09: Masao MARUYAMA (disques dessinee)