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ジャケは今ひとつパッとしないイージーリスニングのアルバムの様ですが、中身は全編スキャットに彩られた好内容。おそらくスペインの人の作品。UKライブラリー"チャペル"でのLEE MASONの作品等と同様にグルーヴィーな曲が並んでいて共通点を感じます。「BRINCADEIRA」のようなスキャットラウンジボッサもいい感じですが、何と言っても最高なのは「PERSECUSION」。ジャジーなアレンジと女声スキャットがかなりグルーヴィー。かっこよすぎ。INSTANT CAFE RECORDSとか好きな人には絶対のオススメです。 |
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赤と青という鮮やかな彩りにファニーなイラストレーションが印象的な7インチ。軽快なタッチのピアノとシンプルなホーンセクションをメインにしたグルーヴィーなジャズの小作品で、「TRAVELLING ON RHYTHMS」はその名の通り小気味良いパーカッションが生み出す力強いリズムの上をゆったりと流れるようなピアノが旅する様子が心地良い。「AFRICAN HONEY MOON」は、さらにコミカルに跳ねるアフロリズムが慌ただしい旅を思わせる1曲で、未知の世界へのイメージがどんどん膨らむ。陽気な旅を思わせる佳作。 |
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その名も「トラヴェリング・オーケストラ」。フランス産のビッグバンドチーム。これは彼が残した6枚組の大作ボックスセットからのシリーズ中最もクオリティーの高い1枚。同時に「DEPART DE NUIT」というダイナミックかつグルーヴィーな1曲を収録している。ミディアム〜スロウテンポのスタイリッシュなジャズファンクで、タフなドラムブレイクに可憐な女性コーラスが絡む佳曲。なんといってもオープニングのゴージャスで躍動的なホーンセクションの響きにやられる。 |
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"ヴードゥー"というのは元々はアフリカで生まれた原始宗教のことで、後にそれが転じてアフロ・グルーヴのひとつのジャンルみたいになっている。宗教儀式で使われた音楽が元になっているのだと思うけど、打ちまくるアフロ・パーカッションに呪文のようなチャントが入るのが特徴です。1970年頃にフランスでリリースされたこのシングルは、ダークでスリリングなトラックに催眠効果のあるチャントが時折聞こえてくるめちゃグルーヴィーなナンバー。A面がパート1、B面がパート2となっていて、まるでジェームス・ブラウンのシングルのよう。プロデュースはヤンコ・ニロヴィック! |
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ヨーロッパのイージーリスニングの世界は奥が深く、未だ相当数のアルバムが眠っているようです。これはドイツのROBERTO DELGADOがアフロビートに挑戦した作品。フレンズ・オブ・ディスティンクションでお馴染みの「GRAZING IN THE GRASS」をカヴァーしていて、原曲のTIGHTEN UP風ビートがフレッシュなアフロビートに生まれ変わっている。ただし現地アフリカの録音で無いので、ヨーロッパ的なよどみの無いアフロテイスト。この他にもサンプル・フレンドリーなアフロビートが満載で、アフリカ音楽の豊かなリズム感覚を体感できる一枚です。ちなみに本作の姉妹盤『LATIN DANCING』では「BATUCADA」のカヴァーが人気。 |
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インド産のジャズ&ボッサ。シック・チョコレートはインドのエンターテイナーで、自らヴォーカル、アレンジ、プロデュス、楽器演奏などもこなすマルチな才能の持ち主。ルイ・アームストロングのような風貌ですが、音楽性もサッチモの影響を受けている模様。彼の遺作にもなったこの4曲入りEP盤は『AKHRI KHAT』(1968年)というインド映画のBGM集。インド音楽は良くも悪くもあらゆる音楽をゴッタ煮風にミックスするのが上手いけど、彼はその取り入れ方がとても洗練されている。特に「CONTESSA」という曲は、深い闇を切り裂くような高音トランペットが耳に残るジャズボッサ。途中でフォービートに展開するところもナイス。 |
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カリブ海の西インド諸島周辺では興味深い音楽がたくさん生まれていて、特にトリニダード・トバコで生まれたスティール・ドラムは僕の大好きな楽器。これは"21世紀のスティールバンド"という素敵なネーミングのバンドの1970年代末の作品。カリプソなどの中米音楽の名残を残しつつも、ソウルやジャズやボッサの影響も少なくない。ボサノヴァで有名な「MEDITATION」はジャイヴ感のある4つ打ちドラムでカヴァーしていて、ドラム缶の音色が南国の風を運ぶ名ヴァージョンです。他にサルソウル・オーケストラの「TANGERINE」やビッグバンドジャズ風の「IN THE MOOD」など、スティールバンドの多様な可能性を秘めた一枚。 |
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キャピトルでは良くありがちな男性4人組、THE BROTHERS CASTRO。その出身はメキシコ。アメリカ進出をするために出されたこのファースト・アルバムの狙いはまさにメキシコのフォー・フレッシュメン。4人のコーラスワークが満載で、オーソドックスなコーラス好きにも充分いける内容。でもやっぱりメキシコ。フォー・フレッシュメンに比べるとやっぱりどこかいかがわしい。そんな不良っぽいいかがわしさと、アルバム・タイトル通りの"LATIN & HIP"というイメージがぴったりとはまったラテンジャズ「BERNIE'S TUNE」は、スキャットとダイナミックなホーンに煽られて最高。 |
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今いちばん行ってみたい国はブラジル。見たことも聴いたこともないブラジルのレコードが二束三文の値段で売られているのを想像する。このビリバ・ボーイズはトリオ・エスペランザのように欧米のヒット曲を積極的にカヴァーするグループ。本作は彼らの1970年作で、ブラジリア・モダン・シックスがコーラスで参加している。特にJ. RODRIGUESのヴォーカルをフィーチャーした「DEIXA QUEM QUIZER FALAR」(ウィルソン・シモーナル=ノナート・ブザール作)は、ブラジリア・モダン・シックスの絶妙のコーラスワークとワルター・ワンダレイ風のオルガンが相まって、ゴキゲンなパーティー・ナンバーに仕上がっている。 |
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長い旅の終わりを告げるような、ゆったりとしたゆるいイージーリスニング・アルバム。旅行といえばこのレコードのイメージ。それはやっぱりこのレコードの持つゆったりとしたオーケストラの醸し出す雰囲気が、頭の中で膨らむ見知らぬ地への想像をかき立ててくれるから。砂原氏がリリースした『THE SOUND OF 70'S』というアルバムと同じ魅力を放ってます。だって、このレコードの「ELEGANCE」という曲を丸々コピーしちゃってますから。 |
04,05,06,07,09: Toru WATANABE (pee-wee marquette) 02,03: Masao MARUYAMA (disques POP UP) 01,08,10: Morihiro TAKAKI (monophonic.lab) |