マンスリーコラム
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「宇田川町の星☆」



コラム by 須永辰緒
 須永辰緒
2000年12月「 〜 Organ b.Suite 最終作 〜
暮れも暮れ。寒い日が続きます。みなさま風邪など引かぬように。

Organ b.SUITE No12が出ました。最終作です。御愛顧して下さったみなさん、ありがとうございました。「たかがテープ」なのにこうして12本を数える事が出来、こういったシーンに足跡を多少なりとも残した事は自分史においてもエポックな出来事でありまたテープを通じて日本全国を叉に掛け(大袈裟)音楽的に色んな人と知り合う機会を持てたのも大収穫でした。で、そういった感慨に耽っている折も折りにもさかんに「どうして止めるのか?」といった問い合わせも殺到しているのも事実。前回まぁ一応の理由といったお話をさせてもらいましたがちゃんとお話させてもらいますね。遡れば4年前になりますが当時はミックステープ市場自体がこの日本では整備されてない状況でして、そうだなぁ、MUROくんとその他ヒップホップのDJくらいしか出してなかったように思います。そこでテープのフォーマットの自由性に以前から興味を持っていた事もあり、またオルガンバーというクラブのドキュメンタリーを記録、といった意味合いも込めて、あとジャズやフリーソウル、ボサノバなどの音楽って元々ミックスしづらい素材だった事もあってそういった事統べて引っ括めて「オレがやらなきゃ誰がやる!」なんて鼻息を荒くしてしまった訳です。そうして今に至ってきた訳なんですがこうして長い間やっているうちに中古レコード市場の高騰といった予想外の弊害を生んでしまった事もありました。反面小林径さんの「ROUTINE JAZZ」や鈴木さんもプレカツテープを始めたりサンバ森田のミックステープも好調だし、みなさん優れたプレゼンをしていてまだまだ更に出てきそうな勢いです。そんなうれしい現状もありますので当初の「オレが!」っていう理由がなくなってきたんですね。要するにそういう事です。うまく言えないけど。あ、飽きた、っていうのも勿論あるんですが。僕のテープは毎作2,000本のリリースです。この2,000本が上手くそういったみなさんのテープに振り分けられたらもしかしてこのジャンルでのシーンはさらに活性化するのではないだろうか? というイチ聴き手としての興味もありました。そういう訳で勝手ながら引かせてもらった、という所かな。
……表向きは。

いひひ。
実はそんな殊勲な理由ばっかりじゃないんです。もっともっと面白いアイディアを見つけたんです。だから来年春くらいにはまたやりますよ。テープ。「オレがやらなきゃ誰がやる!」な凄いヤツ。

あ、忘れてた。その前にアルバム「クローカ」でした。こちらをよろしく。詳細は来月のココでお知らせします。それではよいお年を。
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